この話は、実際に我が家で起きた話です。
育児中、子どもに熱が出た場合、みなさんはどうしますか?
私と妻は共に、子どもが健やかに育つことを願っています。しかし、病気のとらえ方の違いとアプローチにギャップがあることが分かりました。
37.5度以上でお迎え
ある日、私はたまたま在宅勤務をしていました。自宅にいるため、保育園からの連絡はいつものように妻ではなく、私に来るようになっていました。15時を過ぎたころ、保育園から電話で「お子さんのお熱が少し高めで、37.5℃を超えたのでご連絡しました。早めにお迎えに来ることはできますか?」と連絡を受けました。
育児を経験された、もしくは現在しているという方はご存じかもしれません。幼児の体温は、大人と比べて比較的高くなります。大人の場合、自律神経が発達していることで体温を一定に調整しています。しかし子どもの場合、体温を調整してくれる自律神経が未発達 のため、体温の平熱幅が35〜37.4℃と変動しやすくなっています。
私の子どもの平熱は、その変動時期のためか37℃あたりと高めで、検温結果が37℃台前半になることは日常茶飯事でした。しかし、コロナによるリスク管理の影響からか、平熱より若干高い37.5℃でも「お迎えに来れますか?」と打診されるようになっていました。
コロナによる状況変化
早く迎えに行かなければと、急くのが親心というものではないでしょうか。上司に連絡を取って仕事を切り上げ、急いで保育園に迎えに行くと、我が子は元気そのもので一安心でした。
子どもの検温基準は、意外と低いのだなあとネットで検索してみたところ、厚生労働省「保育所における感染症対策ガイドライン」 を見つけました。読んでみると、検温結果とその対応についてこのように述べられていました。(一部抜粋)
資料の72ページに保護者への連絡が望ましい場合の記載がありますが、それは38℃以上の発熱があり、以下のような場合でした。
- 元気がなく機嫌が悪いとき
- 咳せきで眠れず目覚めるとき
- 排尿回数がいつもより減っているとき
- 食欲なく水分が摂れないとき
※熱性けいれんの既往児が37.5℃以上の 発熱があるときは医師の指示に従う。
コロナを判定する基準の大きな要素に熱が関係するため、保育園は運営上のリスク管理 をしていたに過ぎませんでした。
「病院に行ってくださいね」
熱に対する対応はクリアになったのですが、個人的に引っかかることがありました。それは、お迎えに行った際に言われた「病院に行ってくださいね」という言葉です。ニュアンスとしてはほぼ強制だったため、その場は「はーい」と返して足早に帰宅しました。微熱程度でも病院に連れて行け、というスタンスが正しいと思えなかったからです。
このあと詳しく述べますが、私は身体が発達段階である子どもに、不必要な薬 を飲ませたくないと考えています。病院に連れて行きたくなかったのは、病名をつけて治療(投薬)をしなくてはいけなくなるからです。
パパは薬を飲ませたくない
私は健康に携わる仕事に就いてから、単純な風邪くらいであれば薬は必要ないと考えるようになりました。風邪を治すために使用する風邪薬は、解熱、咳止めといった作用をもっています。風邪薬を飲むことで、風邪が治ったように認識されますが、実際はそうではありません。
熱や咳の症状を、ただ抑えているだけなのです(これを対処療法 といいます)。私が薬を積極的に使用しない理由は、仕事を通じて発熱や咳こそ、身体が病気を治そうとする正常な反応だと知ったからです。
対処療法に関しては以下の記事を参照してください。
迎えに行った際、子どもの状態は、熱を除いて元気そのものでした。そのため、病院に連れて行かずに養生させることにしました。
ママは薬を飲ませたい?
自宅に着いてからしばらくして、妻が帰宅しました。子どもが保育園から早退した話を共有したところ「なぜ病院につれていかなかった?」と怒られてしまいました。事前にLINEか電話で共有すべきだった、と気付いたのですが遅きに失したようでした。
妻としては、発熱の原因を医者に診てもらうことが大切と考えていました。子どもに処方される薬に対しても、すべて飲ませるスタンスでした。
いつもより若干熱が高いだけだよ、という私の考えに対して「あなたは専門家なのか? 」とバッサリ切られてしまいました。専門家ではありません、私は医薬業界で働くサラリーマンでしかありませんでした。
答えがないからこそ考える
では医者が言ったことがすべてなのでしょうか。私が仕事を通じて、薬剤師から聞いた現場の話や知識 は無視したら良かったのでしょうか。結果として、夫婦それぞれの考え方を共有し、話し合うきっかけとなりました。
お互い親として、子どもの健康を第一に考えているのは言うまでもありません。ただ、それゆえに意見の相違が起きました。おそらくこれからもこういった事態は起きるのではないかと思います。
子どもにとって一番いい選択とは何か、一緒に考えていける夫婦で有りたいと思った次第です。