医薬業界営業マン、おたまさんの日記

「健康に関してプロで在りたい」

太りたくないなら〆のラーメンはダメ アルコールと血糖値の関係

また飲みに行くのを控えなければならない空気感になってきました。

ところで、酒を飲んでいる時にいつもより少し気が大きくなったり、いつも以上に食べてしまうのはなぜでしょうか。

社会人になってお酒を飲む機会が増えて、徐々に太っていくのは実はお酒(に含まれるアルコール)のせいです。

今回は、お酒と血糖の作用によって意図せず太ってしまうことを回避するお話です。ダイエットにおける糖質制限にも通じているので、興味のある方はぜひ読んでみてください。

お酒とは

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お酒とは何か、その定義をあらためて確認してみます。

酒税法によると、アルコール度数1以上の飲料とされています。つまり、100ml中にアルコールが1mlでも含まれている飲み物はいわゆるお酒と定義されます。お酒の原料は穀物などの炭水化物であり、それらを発酵させることでアルコールへと組成を変えています。

また未成年者飲酒禁止法によって、飲んでもいい対象は20歳以上と決まっています。この法律は1922年3月30日に公布されたもので、もうすぐ100周年を迎えます。

アルコールと脳

酒は百薬の長と言われています。しかし適量の場合であって、過剰に飲みすぎれば薬から毒になることもあります。

酒に含まれるアルコールは、食べ物と同じ経路で口から胃へと入ります。食べ物は胃に入ると消化の作用を受け始めますが、アルコールはすぐに吸 収されて、血液に乗って身体中を駆け巡り始めます。

これが酔い始める状態です。

アルコールは取り込まれるスピードが速く、飲みすぎると司令塔である脳をマヒさせてしまいます。

適度に摂取した場合であれば、脳が司令塔としての働きを放棄することはありません。

血糖値を上げる直接的要因

お酒を飲んで太ってしまうのには、必ず血糖値の上昇が関係しています。お酒自体にも糖分は入っていますが、その量はお酒の種類によって異なります。

特に、お酒を飲むことで血糖値が上がるケースは、甘いチューハイや日本酒など、そのお酒自体に糖類を加えられているものや含有量が多い場合です。この場合はアルコールと砂糖を同時に摂取している状況とも言えます。

実際これらのお酒は、味覚としても甘いですよね。

もし、血糖値を気にされる場合は、ウイスキーのような蒸留酒がおすすめです。蒸留されているお酒はアルコール度数が高い代わりに、含まれる糖類と甘味がほぼありません。結果として直接血糖値の上昇にはつながりません。

何度もお伝えすることになりますが、上記の説明はあくまで適量を飲んだ場合に限ります。

脳の麻痺という間接的要因

どんなお酒であっても、飲みすぎてアルコールを摂りすぎてはいけません。アルコールを摂りすぎることで、脳はその機能を放棄して血糖値の爆上げに加担をし始めます。

お酒を飲むときのことを思い出してみてください。もし、思い出せないという方は友人に聞いてみてください。

お酒を飲むシチュエーションで、いつも以上に食べてしまうことがありませんか?

これは、アルコールが満腹中枢を麻痺させることによって起こります。つまり、お酒に含まれるアルコールを摂りすぎると脳が誤作動を起こして、食べすぎるわけです。食べ過ぎた分、血糖値は上がるので確実に太りやすくなります。

とりわけ、ビールを飲むと消化器系からガストリンと呼ばれるホルモンが分泌され、食欲を増進させます。けっしてビールが悪いと言っているわけではありませんが、そういうお酒もあるということです。

脳はラーメン(炭水化物)を欲しがる

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アルコールは、私達の脳を麻痺させていつも以上に食べさせてしまいます。それに加えて、アルコールはさらに私達の血糖値を更に高める作用を持っています。

酒飲みの誰しもが経験する「締めのラーメン」も、実は アルコールの作用によってもたらされる生体反応 なのです。つまり、儀式的に食べているわけではなくアルコールによって誘われていたのです。

そのメカニズムが働くのも、お酒を飲みすぎた時です。アルコールは肝臓に働きかけて、一時的に血糖値を上昇させます。この時間帯が、気も大きくなって事故を起こしてしまう時です。

この上昇した血糖値は、酔いが醒めていくのと共に徐々に下がってきます。

酔いから覚めてきた脳は、このアルコール摂取によって生じた血糖値の低下を「空腹」つまり、お腹が減ったと誤認します。血糖値を上げるために炭水化物の補給を要求するのです。それが、締めのラーメンを食べるメカニズムです。

つまり、飲みすぎると太るというのは当たり前のことなのでした。

まとめ

アルコールの持つ作用と、自身の飲める量を知っていれば、酒に飲まれることなく楽しめます。血糖値の上昇メカニズムを知ることで、体重や体調管理が今まで以上にしやすくなるはずです。

また大手を振ってのみに行ける日が来ることを楽しみにしています。

痔ろうと健康診断 私が痔主になった理由

先日、私が痔ろうになった話と手術を回避して治すことができた話を書きました。

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セカンドオピニオンを受けていなければ、2軒目の病院で強要された大腸検査で更に肛門にダメージを与えた後、手術をする予定でした。

そもそも私はなぜ痔になってしまったのかを、福利厚生の代名詞である健康診断と併せて書いていきます。

不健康になる健康診断

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一定の社員の事を考える会社であれば、年に1度健康診断を社員に受けさせているはずです。勤務体系がブラックかどうかはさておき、社員の健康状態を確認する術として「健康診断」はあります。

健康診断は、労働安全衛生法という法律において福利厚生(会社が給与にプラスして支給する報酬のこと)として認められています。

労働安全衛生法では、企業は従業員に対して健康管理を行う義務を負っています。 健康診断は、この健康管理義務を果たすための福利厚生として認められているため、健康診断の実施は企業が従業員を大切にしているかの指針 といってもいいのかもしれません。

しかし、この健康かどうかを判断する健康診断ですが、受診者を不健康にしてしまう可能性があります。ここからは個人的な偏見が入る可能性があることをご留意ください。

金属を大量に体内に取り入れる

健康かどうかを診断するにあたり、バリウムという液状の金属を飲んで消化器系の状況を知るバリウム検査というものがあります。

私達は日常生活で金属でできたフォークやスプーンを道具として使用して、パスタなどの食べ物を口にします。ですが、この道具自体を食べるということは決してありません。バリウムは原子番号56番、アルカリ土類金属であり、バリウム検査ではこの水よりも重い金属の液体を口から体内に大量に入れる ことになります。

飲み終わった後、発泡剤(胃を膨らませる)を飲んで台の上に仰向けで乗ります。この時、ゲップをしてはいけません、もしゲップをしたら即座におかわりのバリウムが入った紙コップを手渡されます。

私は、このバリウム検査によって肛門をズタズタに傷つけられました。

金属音が便器にこだました日

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このバリウム検査を行った後は、ほぼすべての方が下剤を飲むことになります。というのも、検査で使用するバリウムは本来体の中に大量に存在すべき金属ではないため、検査で飲んだバリウムをすべて排出する必要がある からです。

検査を受けた後、排出するために下剤が渡されます。本来であれば1粒、もしバリウムが出にくい場合は2粒飲むことになります。

私は2粒飲んでもなかなか出ず、トイレで何度もいきむ事になりました。その努力の結果「カランッ」という音とともに、ビー玉のような球体上の白いバリウムの塊が出てきました。その時、尋常ではない痛みが肛門に残りました。これこそが私の痔の始まりでした。

切れ痔のような症状

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バリウムのビー玉が出てから病院で痔ろうと診断されるまで、私から切れ痔の症状がなくなることはありませんでした。完全に健康診断による副作用(?)によるものであったと確信しています。

それ以降、私は内臓を傷つける可能性が大きいバリウム検査はしないようにしています。健康診断は全ての項目を受けることが当たり前になっていると思いますが、実は バリウム検査の実施に関しては任意で決めることが可能です。先日会社の後輩に教えてあげたところ、次回は受けなくてよいと喜んでいました。

そもそも本来体に存在しない金属を、あえて飲まなければできない検査であればしなくていいと考えています。

まとめ

今でこそいえますが、この検査は正気の沙汰ではありません。健康かどうか判断するための検査が結果として、体に悪影響を与えてしまうのであればしなくていいと思います。

私が手術を覚悟しなければいけなくなった要因に、バリウム検査がありました。全員がこうなるわけではありませんが、私が痔ろうになるきっかけにこの検査があったことは間違いありません。

体質に合わない検査は無理に受ける必要はありません。繰り返しになりますが、健康診断の検査項目によっては任意で受けないという選択が可能です。

健康かどうか判断する検査で、不健康にならないように是非一度見直してみてください。

痔ろうの手術を回避して治せた 私のケース

痔ろう(ぢろう)という言葉を知っていますか?

痔ろう(ぢろう)とは、お尻の不調の代名詞である痔(ぢ)において、完治するまで最も時間がかかる病状です。痔は状態によって3つに分類できます。その痔の中でも痔ろうは、診断された場合手術をしなければほとんどの場合治ることはありません。

自力では治せないと言われる痔ろうと診断された私が、手術を回避して日常生活を取り戻した話を綴っていきます。

痔の1つ、痔ろうとは

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私が「痔ろう」という言葉を初めて知ったのは、おそらくダウンタウンDXという番組です。何の放送回か忘れてしまいましたが、ダウンタウンのお二人も「痔ろう」らしくトークの中で痔ろうのことを「二郎、三郎と呼んでいた」と話していた記憶があります。

先ほど痔は3つに分類できると書きましたが、痔にはこのような種類があります。

  • きれ痔:肛門が切れて出血する
  • いぼ痔:肛門(内側・外側)にイボができる
  • 痔ろう:肛門に膿のトンネルができる

きれ痔やいぼ痔でも状態がひどくなれば手術が推奨される場合もありますが、痔ろうは手術が必須と言われます。というのも、膿のトンネルができてしまうことで穴が空いているからです。手術をしてその穴を塞がなければいけません。

お分かりいただけるかと思いますが、痔ろうとは痔の中において最も危惧すべき病態 なのです。

痔ろうは治せない?

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TVCMでは天藤製薬の製造しているボラギノールという薬が痔という病気の認知を広げています。そのため痔と聞くとお尻が痛いもの、座薬を入れれば治るものと思っている方がいるかも知れません。

先ほど記載したように、程度によってですがきれ痔といぼ痔の症状緩和のためには、こういった市販薬を購入して使用することで一定の効果が現れます。ただし、根治ではなく症状の緩和です。

本当に治していきたい場合は、血流の改善が必須です。東洋医学的視点では、痔は血流が悪くなっていること(瘀血)が要因であると考えられています。現代医学でもタバコを吸ったり、お酒を多飲すると血管が収縮して血流が悪くなることで痔になりやすいと言われています。根本原因としては合致していて、根治したい場合は薬ではなく生活感の改善が必須 です。

まな板の鯉であるだけ?

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私は痔ろうになるまで、4-5ヶ月かかったと思います。痛みやお尻の状況に耐えきれず、どうにか解消したかった私は結果として3軒の病院を受診することになりました。1軒目では痔ろうと分からず、とりあえず切れ痔と診断されて終わりました。2軒目では謎の大腸検査強要をされました。

「大腸検査をしてからじゃないと手術はしません。」

患者である私の訴えは、肛門の痛みと付随する症状の改善でした。しかし、2軒目の病院ではポリープなどの要因もあるかもしれないと強引に大腸検査を初診で予約を強制、大量の下剤を渡してくる始末 でした。

(ああ、私の言葉は届いていない。また板の上の鯉になるしかないのか?)

もうされるがままでしかないのかと絶望して帰宅後、最後の望みをかけて他の病院を調べ始めました。

セカンドオピニオン

痔ろうと診断されて調べてみたところ、主に下痢が原因となって直腸から肛門の周囲の粘膜に傷がつくことで、そこから細菌が侵入して炎症が起こって膿が溜まるということがわかりました。それが進行して、膿のトンネルが作られるそうです。

2軒目の病院では、痔ろうと診断されましたが「裂肛からなる痔ろうですね」と言われていたのです。たしかに痛みと膿のようなものは出ていましたが、穴はないような気がしていたので、この言葉に違和感を覚えたのかもしれません。

そのため、診断を親身になってしてくれて、治療方法もいくつか提案してくれそうな病院・クリニックを必死になって調べ始めました。この時に 切開を大きくしない「シートン法」という治療法 を行っているところを併せて調べました。

医療の食い物にされかけていた

後日、あるクリニックを見つけることができました。

穴のあくほどHPを見た上で予約をして向かったところ、1,2軒目とは全く異なる診断を受けました。

  • いつごろから症状が出たか
  • 現在どういう状況か
  • 今まで使った薬
  • セカンドオピニオンを求めた理由

担当してくれた医者は、本来は当たり前の話なのかもしれませんが、患者である私の話を途中で遮ること無く聞いてくれました。その結果「あなたの状態から考えると、まず必要なのは大腸検査ではないですね」と言ったのです。

「ちなみにどこでそう言われたんですか?あなたの場合、優先すべきは大腸検査ではないはずですよ」 と言われ、2軒目の病院の話をしたところ、それは利益体質すぎますねと笑っていました。

良い医者は探せ

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違和感として感じていた「裂肛痔ろう」という診断についても、実際に触診した結果間違いないとのことでしたが「この状態であれば、50%で治る可能性があります」と提案が異なり、抗生物質と整腸剤を処方されました。

大腸検査はしなくていい、そして手術がいらなくなるかもしれない!?と、正直驚きを隠せませんでした。

結果として、私は半年ほどかけて手術をしなくてもいい状態まで回復することができました。といっても、さきほどの抗生物質と整腸剤の処方は3週間分程度で、後は食生活と運動の習慣、生活習慣の改善を行っただけです。

本当に良い医者は、患者自ら治す力を最大限活用してくれます。ただ、こういった医者は自ら進んで見つけるしかないのかもしれません。

さいごに

医薬業界で働く私がまさか「痔ろう」と診断されてしまう日が来るなんて、あのころは思ってもいませんでした。

医薬品と医療行為について、病気を治す唯一の術と思っていましたが、完ぺきなものはない とあらためて感じます。医者を含めてすべて人ではないかと思うのです。親身になることも大切ですが、最良の提案を利害を抜きに享受してくれる人に出会えることが重要です。

気持ちにカラダがついてこない 副腎疲労かもしれない時の話

「気持ちにカラダがついていかない」そんな状態を経験されたことはありますか?

この症状には、あまり一般に認識されていない「副腎疲労(アドレナルファティーグ)」と言われるものが関係している可能性があります。

実際に病気と診断されていなくても(いわゆる未病)、体や心に不調を感じる方は、国の調査でも年々増えています。

今回参考としているのは「若くて疲れ知らずの人は副腎が元気!」という本です。

副腎ってなに?

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副腎疲労の前に、、そもそも副腎という臓器があまり認識されていないため、副腎についてまず知る必要があります。

腎臓はよく聞きくことのある臓器ですが、それに比べて副腎と聞くことは少ないですね。心臓や肝臓と比べて少し認知度の低い副腎ですが、血液をろ過して尿を作り出してくれる腎臓の上にちょこんと乗っています。

1つあたり、2-3cmで重さは4-6g程度と非常に小さい臓器ですが、人体に対してもつ影響力はとても大きいです。

その 副腎が疲労してしまうことを副腎疲労(アドレナルファティーグ) と言います。

「副」の付くもの

実生活において、「副」という字が付くものは身近にあります。副社長、副部長など、副が付く役職ほど無くてはならない仕事をしています。副腎も同じく、とても重要な役割を担っています。

副腎は消化器など、消化吸収をする内臓のもつ働きとは異なり、ホルモン分泌 を行っています。つまり、体の調整をする裏方の運営役を担っているのです。

医薬業界においては、この「副腎疲労」に対する認知度は比較的高いです。この副腎疲労が何なのかを知ると、日々のコンディションをより良く保つことにつながります。

副腎の働き

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副腎の働きは主に、ホルモン分泌によって体の状態を調整することにあります。

副腎の代名詞と言われるものに、「コルチゾール」というホルモン があります。このコルチゾールというホルモンは、ストレスを受けることによって分泌されることで知られていて、通称ストレスホルモンとも呼ばれています。

コルチゾールのほかにも、副腎はアルドステロンやカテコールアミンなど、血糖値を高めるホルモンの分泌に関わっています。

ストレスを受けることで、脳からの指令を受けた副腎はコルチゾールを分泌します。すると コルチゾールの作用により、身体中にブドウ糖が供給されて血糖値が上昇 します。

体はブドウ糖という即効性のあるエネルギーを得て、ストレスに対抗しようとします。

副腎さんはお疲れ?

ストレスを受けた時に副腎はホルモンを分泌して、血糖値を上げることでストレスに対抗する力を体に与える ことが分かりました。

ただ、このストレスに対応するためのホルモン分泌は、一時的な対処にすぎません。つまり体に無理をさせているドーピングに近いのです。しかし、現代はストレスを受ける機会が多すぎることで、結果として副腎の酷使につながっています。

私たちが無理をする、頑張るその陰で、副腎はホルモン分泌という仕事を黙々と行います。

しかし燃え尽きるほど(副腎が)頑張りすぎた結果、うつになってしまうこともあります。実際コロナの蔓延によるストレスによってか、多くの調剤薬局からメンタルクリニックの処方箋が増えていると聞いています。

副腎を休ませる

肝臓において「肝臓は沈黙の臓器」というフレーズがあります。肝臓の沈黙が破られた時は、すなわち取り返しがつかないという教えです。副腎も同じように、完全に疲労困憊させてしまうと取り返しがつかなくなります。

副腎を酷使して疲れ切ってしまわないようにすることが大切になります。

取り扱い説明書

副腎の大敵はストレスです。

ストレスによって様々な反応が体の中で起こり、最終的にホルモン分泌の指令によって血糖値が上がるのですが、その前段階として自律神経の働きを乱します。

ストレスは自律神経のうち、交感神経(緊張状態)の働きを高めます。交感神経の働きすぎは、副腎にとって「ストレスに対応してくれ」という体の意思表示として受け取られます。

常に緊張状態であることを避けて、副交感神経(リラックスした状態)を働かせること です。気を緩めていい時は緩めて、緊張状態を解いてあげることが大切です。

副交感神経

副交感神経は、主にリラックスした状態で働きます。食べ物の消化のために内臓が動いたり、寝ている時などがそうです。

交感神経がよく働くようにするに、すぐにできることはたくさんあります。

  • 深呼吸をする
  • 38℃前後のぬるま湯に浸かる
  • 寝る直前に食事をしない
  • 寝酒をしない

日常生活では、様々なシチュエーションにおいて工夫が可能です。これ以外の方法で、サプリメントを使用するのもありだと思います。サプリメントに関しては法律上書くのが難しいので、残念ながら今回は割愛します。

自律神経について勉強すると、副腎疲労について知見を深める ことにつながります。

さいごに

副腎と自律神経について、かなり省略して記載しましたがとても密接にかかわっています。

コロナウイルスによる感染症や仕事の状況変化など、様々な外的要因でストレスが多くなっています。いつの間にか体と心を蝕む副腎疲労に至らないように、自分の体と心にときどき耳を傾けて、体の様子を見てあげることが大切です。

糖尿病について 栄養学に基づく食事の違和感

妻が妊娠糖尿病の関係で、糖尿病について勉強する機会が増えています。

学んでいる中で、一般的に行われている食事療法(医者の指導)について疑問を感じてきました。

なぜ血糖値をコントロールしなければいけないのに、血糖値を最も上昇させる炭水化物からエネルギーを摂ることに固執しているのか、という部分に対してです。

5大栄養素の確認

糖尿病は血糖値をコントロールできなくなる病気です。そのため、高くなりすぎないことを必然的に意識しなくてはなりません。現に私の妻は毎日食後血糖の測定がストレスになっています。

そんな心悩ませる血糖値ですが、その上昇要因を大まかに2つに分類できます。1つ目は間接的要因による上昇、2つ目は直接的要因による上昇です。

1つ目の間接的上昇は体の中で起こる、血糖値上昇に関わるホルモン分泌によるものです。ホルモン分泌への影響はストレスなどの関わりが強く、自分ではどうしてもコントロールができません。2つ目の直接的上昇は、食事です。食事は、血糖値を上げやすい栄養素を知ることで、実は自分でコントロールが可能です。

5大栄養素は炭水化物、タンパク質、脂質、ミネラル、ビタミンがあります。この中で、食後すぐに 血糖値の上昇につながるのはダントツで炭水化物(特に糖質) です。

5大栄養学の内訳を学ぶならこちらの本がおすすめです。

栄養素の摂取基準by農林水産省

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この画像は農林水産省HPより引用しています。日本で生まれ育った人であれば、義務教育の中で一度は見たことがあると思います。

数年ごとに表示の仕方は更新されていますが、本質は同じ事を示しています。その本質とは 主食、副菜、主菜の順に食事で摂るべき優先度が高い という点です。

この優先度に従って主食、副菜、主菜を各栄養素に振り分けて換算してみましょう。すると、重量ごとではこのような順番になります。

  • 炭水化物
  • タンパク質
  • 脂質
  • ビタミン
  • ミネラル

この順番をとりあえず覚えておいてください。

人間の体の構成 by厚生労働省

これに対して、生物としての人間を構成する栄養素を確認してみます。例として成人男性60kgを構成する栄養素を重量比順に並べてみます。

【成人の体組成(体重60kgの場合)】

  • (水分 : 62.6%)
  • タンパク質:16.4%
  • 脂質:15.3%
  • ミネラル:5.7%
  • 糖質:1%未満

この数値の引用元は特定保健指導の実践定期指導実施者育成プログラムという参考資料です。

体を構成する栄養素において、圧倒的に炭水化物(≒糖質)が少ない ことに気付きます。食事からはたくさんの炭水化物を摂取するように指示があるのに、体にはほとんど存在しないことになります。

栄養素の摂取基準における数値と逆転が起きる理由は、エネルギー源である炭水化物が必要な量しか体内に存在しないからです。この炭水化物1%とは、主にブドウ糖の形で血液中を流れている、いわゆる血糖値そのものです。

食事からの炭水化物摂取に比例して、一時的に血液中の糖分は上昇します。その後、インスリンというホルモンの働きによって下がり、一部は肝臓に蓄えられて、残りは脂肪に形を変えて体たくわえられるのです。

脂肪について

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脂肪は食べ物から摂っても、一度消化作用によって脂肪酸とグリセリンに分解された後、吸収されます。そのため、直接脂肪になることはありません。

炭水化物から得た 糖質は、多すぎると脂肪として体に貯蔵 されることになります。つまり必要以上に摂ると太る、ということです。これは脂肪も同じく該当します。

貯蔵している脂肪をエネルギーに変える時は、ブドウ糖がエネルギーに変わる途中の物質に転換されてから利用されるため、必ずブドウ糖に戻るわけではありません。ただし、ブドウ糖が体にたくさんある状態ですと、そちらが優先的に利用されることになってしまいます。

外部からの栄養摂取でブドウ糖がまったくなく、脂肪だけだったら優先的に使われるはずです。もしくは体の脂肪が先に使われて、外から摂取したものが後から脂肪に置き換わります。

血糖値を上げないエネルギー

炭水化物は、血糖値を上げたうえで、肝臓へ一部ブドウ糖として貯蔵、残りは脂肪への変換されることが分かりました。

この脂肪はダイエットにおいてかなり邪険にされがちですが、実は優秀なエネルギー源であることが分かっています。炭水化物の持つエネルギーは約4kcal/gに対して、脂肪は約9kcal/gと倍以上あります。加えて 摂取しても糖質を含まないため、血糖値を直接上昇させません。

これを踏まえて厚生労働省の糖尿病における食事療法を見ると、炭水化物(糖質)からエネルギーの半分以上を摂取するようにという指導に違和感を覚えます。

食事からのエネルギー摂取を炭水化物メインにしなくても良いのではという違和感に対して、ある医者の著書がその答えに言及していました。

疑問の解消とエネルギー源

政府の提示している人間の体組成と、食事の栄養素における摂取基準のギャップに対して、ベターな解決案となったのは、以前紹介したことのある「炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学」という本です。

この本は、炭水化物を制限してタンパク質や脂質へと、エネルギー源を代替することによってダイエットに成功した著者の体験談から始まります。この方法は彼の患者へも応用されて、糖尿病で血糖値を気にしていた方の改善につながった例も紹介されています。

厚生労働省のような行政による指導ではありませんが、私自身この炭水化物制限を妻と行ったことでその効果を体感しています。

体組成の栄養素を軸に食事療法を考えていく と、答えは正解に近いと思えます。思えますと書いたのは、薬や医療でも100%の適合率はないからです。

しかし、薬を使う前に毎日必須となる食事を変得ることで健康に戻るのであれば、非常に建設的な方法ではないでしょうか。

さいごに

たま家では、妻が妊娠糖尿病と診断されてから4ヵ月、血糖値測定(食後2時間)で基準値の120mg/dlを超えたのは片手に収まります。それも、全て外食をしたときだけです。

かなり優秀な成績を収めていると若干誇らしくもあります。

食事を気を付けることが病気の根治につながるかもしれない、そんな気付きとなりました。

子ども用の漢方薬 そして整腸剤

先日、子どもが風邪を引いたため漢方薬を購入して飲ませていました。親になり思うのですが、幼児は本当に風邪を引きやすいですね。両親には改めて感謝です。

今回の風邪はなかなか治りが遅く、子どもと妻、私を含む家族全員が疲弊していました。

腸内環境への補助で早く治るかもしれないと思い、整腸作用のあるものを取り入れることにしました。

あの論文は割とポピュラーだった

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前回、漢方薬が効くためには私たちのお腹にいる腸内細菌が重要 であると書きました。前回の記事はこちら。

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この時紹介した論文について、取引先の薬剤師数名に聞いてみたところほとんどの方が知っていました。

※ただし、ここ20年以内に卒業した若手の世代に限定

ある薬科大卒の薬剤師は、この論文を授業で聞いたことがあると言い、漢方薬を勧めるときに相談者の体の状態(消化器系の状態)もできる限りヒアリングするようにしていると教えてくれました。

風邪の処方箋と整腸剤

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漢方薬以外でも、薬と腸内細菌の関係性を垣間見る場面は身近にあります。子育て世代では特に顕著で、病院で風邪薬を処方された場合、整腸剤はほぼセットでもらっているはずです。風邪薬とよく処方されるメジャーな整腸剤に、ミヤBMがあります。

なぜ風邪薬と整腸剤が一緒に処方されるのでしょうか。実はその理由は処方される抗生物質という薬にあります。

抗生物質とはその字の通り「生物に対して抗うことが出来る物質」です。人類史で初めて発見されたのは、青カビがほかの細菌を殺すために分泌するペニシリンという抗生物質です。

この抗生物質は有益有害を問わずに、腸内細菌全体に対して働いてしまいます。その結果として、腸内環境は乱れてしまうのです。薬の中には、プロドラッグと呼ばれる腸内細菌の手助け(分解作用)によって、やっと効果を発揮し始めるものも存在するため、腸内環境の悪化は薬が効きにくくなる 側面も持っています。

幼児に使える整腸剤

幼児の場合、病院での診察は無料です。そして薬も無料でもらえます。親としては非常にありがたいのですが、無料だからといって全て鵜呑みにするわけにもいきません。

登録販売者試験にも出てきますが、風邪の原因のほとんどはウイルス によるものと記載されています。これは厚生労働省の問題作成指針に記載されていますが、抗生物質はウイルスに効きません。

こういった抗生物質の効能を知っていると、ただの風邪を引いた子どもに対して抗生物質を安易に(それも頻繁に)使いたくありません。(※細菌感染症には抗生物質が有用です)

そのため、たま家ではなるべく自然物由来である生薬から作られる漢方薬を使う方針を取っています。

ただし、幼児の消化器官は大人と比べて未熟であるため、漢方薬であっても子どもには負担となる場合があります。

子ども用の整腸剤

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今回なるべく負荷を軽減するために、子ども用の整腸剤を購入することにしました。整腸剤を購入するにあたり、選んだ基準は2つありました。

1つ目は、子どもにとって強すぎる作用がないかです。これは整腸剤の適用年齢を軸に選定します。我が家のおちびさんは年齢的に幼児に該当します。そこまで作用の強いものはそもそも使うことができません。

2つ目は形状です。登録販売者試験の問題の中にもありますが、薬の形状によって子どもは薬に対して苦手意識を持つことがあります。そのため、今回は錠剤ではなく、顆粒か粉タイプを探しました。

その結果、子どもの疳の虫に使用することで有名な宇津救命丸株式会社の整腸剤を選択しました。

少し汚い話ですが、子どものおむつを替える時には 必ずうんちの状態を確認 しています。今回、うんちが少しゆるくなっていたため、整腸剤の適用範囲として併用しました。

さいごに

併用を開始したところ、軟便ぎみだった便も普通になり、ずるずると治らず引きずっていた風邪症状もすんなり回復しました。

腸内環境の状態が漢方薬の効果に差をもたらすというメカニズムを知ると、親が子どもにしてあげることは変わると思います。

病気にならないことが第一ですが、腸内環境を含めて子どものコンディションを整えることは重要という学びでした。

漢方薬を飲む時は お腹を空かせた方がいい?

漢方薬の専門家じゃない人間が、いきなり何を言っているのかと思われるかもしれません。

ドラッグストアで販売されていて、病院に行かなくても購入できる漢方薬には、食前、食間など、食事と同じタイミングを指示していません。

漢方専門の薬剤師に聞いたところ、本当は空腹の時に飲んでほしいそうです。具体的に食事の1時間前がいいとのことです。

それはなぜでしょうか。

漢方薬と空腹

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漢方薬を「空腹時に飲む」にはそれなりの理由があります。

医薬業界ではわりとポピュラーな話 になりますが、実はその理由に消化管にいる腸内細菌が関わっています。腸内細菌と漢方薬?と疑問に思われる方もいるかもしれません。

その証拠に、このような論文があります。

富山医科薬科で書かれた配糖体は天然のプロドラッグという論文の中には、漢方薬と腸内細菌の関係が示唆されています。

それについて、少し深堀をしていきます。

必須の善玉菌

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私たちの体の中(特に腸内)には、共生関係にある微生物が数多く存在していて、厚生労働省の発表によるとおよそ1000種類、100兆個もいるそうです。

最新の研究や書籍ではそれ以上にいると言われることも多いですが、これらを総称して腸内細菌と言います。私たち人間が住む場所を提供する大家とすると、その住人が腸内細菌であるとたとえられることが多いですね。

腸内細菌は共生しているため、私たちの食べたものをエネルギーに生活しています。善玉菌と呼ばれる有益な菌たちはエネルギーの代わりに、酪酸や乳酸などを作り出して腸内環境を正常に保ってくれます。

そんな彼らこそ、漢方薬が私たちの体で働くために実はとても重要な存在 だったのです。

分解される漢方薬

一体何が重要なのか、それは 漢方薬を分解してくれる働き にあります。

誤解を招いてしまいそうなのですが、漢方薬は飲めば効くわけではありません。飲んだ後に、腸内細菌に分解されることで、初めて薬としての効果を発揮する形になることができるのです。

このような薬のことをプロドラッグと言います。ここで言うプロとは専門職の意味ではなく、活性化していない状態を意味するプロになります。

つまり、お腹の調子が良くないと漢方薬が効きにくい状態になっている可能性があるということです。

食事よりも先に

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ではなぜ、食事よりも先に漢方薬を飲む必要があるのか。

それは、腸内細菌にとって漢方薬よりも人の摂る食事の方が食べやすいからです。つまり、食事と同時だと選り好みをされてしまう わけです。

私たち人間が空腹の状態である時は、もれなく腸内細菌も空腹なはずです。

お腹がペコペコの時に、生肉とハンバーガーを同時に渡されたとしたら、すぐ食べられるハンバーガーを選びますね。腸内細菌にとって、漢方薬は生肉のように少し食べづらいものなのです。

そんな食べにくい漢方薬を、腸内細菌に食べて分解してもらうには、食事よりも先に腸へ届ける必要があるのです。

子どもへの応用

小さな我が子に抗生物質を与えることが嫌いなため、子どもに風邪症状が出始めた時は早めに漢方薬を使って回復を図ります。

子どもに与える抗生物質について、妻と話し合った時の記事はこちら。 www.otama3.info

漢方薬の専門家から話を聞いてからは、腸内環境への配慮と、漢方薬の効くためのメカニズムを活かすように心がけています。

そのため、少し汚い話ですが腸内環境の状況を確認するために、子どものうんちの匂いはしっかり確認をします。お腹がゆるくなっていないかどうかも併せて確認をしています。

さいごに

漢方薬の味は苦いと相場は決まっています。

しかしたま家では、子どもが小さいころから漢方薬を使ってきたため、慣れてくれました。主に風邪を引いた時に使っていますが「おいしい」と言って進んで飲んでくれるほどです。

腸内細菌の働きを知って最良のタイミングで漢方薬を飲むことが、薬本来の力を発揮 することにつながるという空腹についてのお話でした。