「気持ちにカラダがついていかない」そんな状態を経験されたことはありますか?
この症状には、あまり一般に認識されていない「副腎疲労(アドレナルファティーグ)」と言われるものが関係している可能性があります。
実際に病気と診断されていなくても(いわゆる未病)、体や心に不調を感じる方は、国の調査でも年々増えています。
今回参考としているのは「若くて疲れ知らずの人は副腎が元気!」という本です。
副腎ってなに?
副腎疲労の前に、、そもそも副腎という臓器があまり認識されていないため、副腎についてまず知る必要があります。
腎臓はよく聞きくことのある臓器ですが、それに比べて副腎と聞くことは少ないですね。心臓や肝臓と比べて少し認知度の低い副腎ですが、血液をろ過して尿を作り出してくれる腎臓の上にちょこんと乗っています。
1つあたり、2-3cmで重さは4-6g程度と非常に小さい臓器ですが、人体に対してもつ影響力はとても大きいです。
その 副腎が疲労してしまうことを副腎疲労(アドレナルファティーグ) と言います。
「副」の付くもの
実生活において、「副」という字が付くものは身近にあります。副社長、副部長など、副が付く役職ほど無くてはならない仕事をしています。副腎も同じく、とても重要な役割を担っています。
副腎は消化器など、消化吸収をする内臓のもつ働きとは異なり、ホルモン分泌 を行っています。つまり、体の調整をする裏方の運営役を担っているのです。
医薬業界においては、この「副腎疲労」に対する認知度は比較的高いです。この副腎疲労が何なのかを知ると、日々のコンディションをより良く保つことにつながります。
副腎の働き
副腎の働きは主に、ホルモン分泌によって体の状態を調整することにあります。
副腎の代名詞と言われるものに、「コルチゾール」というホルモン があります。このコルチゾールというホルモンは、ストレスを受けることによって分泌されることで知られていて、通称ストレスホルモンとも呼ばれています。
コルチゾールのほかにも、副腎はアルドステロンやカテコールアミンなど、血糖値を高めるホルモンの分泌に関わっています。
ストレスを受けることで、脳からの指令を受けた副腎はコルチゾールを分泌します。すると コルチゾールの作用により、身体中にブドウ糖が供給されて血糖値が上昇 します。
体はブドウ糖という即効性のあるエネルギーを得て、ストレスに対抗しようとします。
副腎さんはお疲れ?
ストレスを受けた時に副腎はホルモンを分泌して、血糖値を上げることでストレスに対抗する力を体に与える ことが分かりました。
ただ、このストレスに対応するためのホルモン分泌は、一時的な対処にすぎません。つまり体に無理をさせているドーピングに近いのです。しかし、現代はストレスを受ける機会が多すぎることで、結果として副腎の酷使につながっています。
私たちが無理をする、頑張るその陰で、副腎はホルモン分泌という仕事を黙々と行います。
しかし燃え尽きるほど(副腎が)頑張りすぎた結果、うつになってしまうこともあります。実際コロナの蔓延によるストレスによってか、多くの調剤薬局からメンタルクリニックの処方箋が増えていると聞いています。
副腎を休ませる
肝臓において「肝臓は沈黙の臓器」というフレーズがあります。肝臓の沈黙が破られた時は、すなわち取り返しがつかないという教えです。副腎も同じように、完全に疲労困憊させてしまうと取り返しがつかなくなります。
副腎を酷使して疲れ切ってしまわないようにすることが大切になります。
取り扱い説明書
副腎の大敵はストレスです。
ストレスによって様々な反応が体の中で起こり、最終的にホルモン分泌の指令によって血糖値が上がるのですが、その前段階として自律神経の働きを乱します。
ストレスは自律神経のうち、交感神経(緊張状態)の働きを高めます。交感神経の働きすぎは、副腎にとって「ストレスに対応してくれ」という体の意思表示として受け取られます。
常に緊張状態であることを避けて、副交感神経(リラックスした状態)を働かせること です。気を緩めていい時は緩めて、緊張状態を解いてあげることが大切です。
副交感神経
副交感神経は、主にリラックスした状態で働きます。食べ物の消化のために内臓が動いたり、寝ている時などがそうです。
交感神経がよく働くようにするに、すぐにできることはたくさんあります。
- 深呼吸をする
- 38℃前後のぬるま湯に浸かる
- 寝る直前に食事をしない
- 寝酒をしない
日常生活では、様々なシチュエーションにおいて工夫が可能です。これ以外の方法で、サプリメントを使用するのもありだと思います。サプリメントに関しては法律上書くのが難しいので、残念ながら今回は割愛します。
自律神経について勉強すると、副腎疲労について知見を深める ことにつながります。
さいごに
副腎と自律神経について、かなり省略して記載しましたがとても密接にかかわっています。
コロナウイルスによる感染症や仕事の状況変化など、様々な外的要因でストレスが多くなっています。いつの間にか体と心を蝕む副腎疲労に至らないように、自分の体と心にときどき耳を傾けて、体の様子を見てあげることが大切です。