医薬業界営業マン、おたまさんの日記

「健康に関してプロで在りたい」

子育てする親は絶対に読むべき本 100人以上の薬剤師と話した中で見つけた至高の1冊

私は営業として薬局を回ることが多く、話をするのは専ら薬剤師の方々です。読書が好きと伝えていることもあってか、これまで紹介いただいた本は100冊を超えます。

その中で、今このタイミングでこそ紹介したいと思うのは「こわいカゼ薬 子供たちが急死・ライ症候群」という本です。

子どもの未来を変える力をもっているのは、良くも悪くも親であると痛感させられます。

「知らないことは罪である」 という言葉から始まるこの本は、特にこれから親になる方、また子育てをしている方はぜひ読んでほしいと思います。

風邪に使われる薬で子どもが死ぬ?

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三一書房から40年以上前に出版されていた本のためか、今ではもう中古でしか手に入りません。

医者が絶対であった当時、 最も身近な病気である風邪(かぜ症候群) に使われる風邪薬が、全く必要ないという真実に迫る内容となっています。

作者である本畝淑子さんの娘は、風邪により病院を受診して、医者から渡された風邪薬を使用し続けて5日後に亡くなりました。

約40年前の話ですが、先進国である日本で本当に起きた薬害・医療被害による悲劇の記録です。娘を亡くされた著者は医療の変革を願いましたが、現代の医療や薬は変わったのでしょうか。

病院に連れて行くのは当たり前?

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本に書かれた事実は、1961年(昭和36年)の 国民健康保険普及 によって起きたとも言われています。3割負担で誰もが受けられる医療拡大は、誰もが薬を使用する環境拡大にもなったようです。

幼い子どもは特に熱が出やすい上に、体調を崩すこともよくあるため、病院で診てもらうことが必然的に多くなります。つまり、薬を使用する機会も多くなるということです。

病院にあまり行かない私と違い、妻は子どもが熱を出した時は病院に連れて行っていました。

どんな薬をもらっているか調べること

たま家の場合、妻が病院に子どもを連れて行く理由は主に以下のようにありました。

  • その原因を専門家によって特定すること(重病ではないかの判断)
  • 適切な処置を受けること(投薬)
  • 保育園からの圧力(外的圧力)

正直なところ、子ではなく 親が安心したい から病院に連れて行っているわけです。その結果として、いつも5種類ほどの薬をもらっていました。

私が記憶している限り、病院での診断は風邪以外無かったはずです。体重が成人の1/5にも満たない子どもに対して、こんなに多くの薬が必要なのかは大いに疑問でした。

特に毎度出される抗生物質には、違和感しかありませんでした。今回紹介した本の中で、医者の丁寧な解説があり、素人ですら感じるこの違和感が間違っていなかったことが分かりました。

妻と何度も話し合った結果、子どもへの抗生物質の使用はしないことに理解を示してくれました。

不必要なものは要らないと言う勇気

抗生物質の話に戻りますが、風邪の原因は8割以上がウイルスのため、抗生物質は残りの2割以下にしか効きません。使用によって腸内環境を悪くしたり、下痢を引き起こす副作用の影響の方が多くあります。

そもそも40年以上前に出版された本に「風邪に効く薬はない」と記載されています。登録販売者の参考書にも風邪薬は 全て対処療法(症状を抑えるだけ) と書いてあるのです。

抗生物質(そもそもドラッグストアで買えない)以外にも、ウイルスと戦うために上がる体温を下げる解熱剤など、基本的には必要ないとされています。必要かそうでないかを判断する知識は持つべきだと思われます。

ただ親としては、苦しむ我が子を見れば楽にさせたいと思うに決まっています。しかし、薬で症状を和らげるつもりが、かえって長期化、あるいは悪化させているかもしれないことがあるのです。

子どもを亡くした著者の声

風邪薬により、お子さんを亡くした本畝淑子さんですが、googleで検索しても本人の情報は一切ヒットしません。また、今回紹介している本も絶版しています。

消息は分からずとも、真実が書かれた本(裏付けとして共著者は医者)から、現代の私たちでも学ぶべきことが多くありました。自ら判断して動くためには、知識は進んで得る必要があるという示唆です。

子どもは自立するまで、親に依存するしかありません。本の中では、親である私たちは、我が子に何を飲ませているのか、与えるべきかを知る必要があると強く訴えられていました。

さいごに

「薬は毒である」 と、本の中では何度も書かれていました。特に現代では、合成により新薬が次々と生み出されています。もし仮に毒だとしたら、氾濫しています。

子どもを守っていくためには、正しく判断するための知識が必須です。

専門知識を持つ人からの言葉でも、責任を取るのは自身や子どもです。薬とは体に取り入れて、何かしら必ず影響を及ぼすものであることを認識して過ごしたいものです。