医薬業界営業マン、おたまさんの日記

「健康に関してプロで在りたい」

【腸内フローラ】ダイエットと腸活の密接な関係

ダイエットに関して、これまで「栄養素を整える大切さ」、「代謝を整える事で痩せやすくなる」ということを書いてきました。

代謝に関する記事はこちら www.otama3.info

今回の記事では、日常に取り入れやすく、また ダイエットに直結する腸活 について取り上げていきます。腸活を習慣化すると、リバウンドしにくく、痩せやすい体質になるのでぜひ活用してみてください。

腸活の前に

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腸活を始めるためには、まず腸内細菌を知る必要があります。書店には様々な腸活に関する本、インターネットには様々なメソッドの紹介が乱立しています。

これまで私は、薬業界の現場で数多くのダイエットの情報、実例を見てきました。同様に、失敗する例も多く見てきました。その経験の中で、実際に有益であるもの紹介したいと思います。

ただその前に、腸活をするにあたって紹介したい人がいます。

カイチュウ先生こと藤田紘一郎先生

紹介するのは、腸活業界(厳密にはこの名称の業界はありません)の首領と言っても過言ではないこの人、寄生虫学に精通した藤田紘一郎先生です。ちゃんと腸活の話に戻りますので少しだけお付き合いください。

現代社会では、完備された水道インフラや公衆衛生により、「寄生虫」というワードはほとんど聞くことがありません。そんな寄生虫が「免疫に関わる」と、あえてサナダムシを自らの腹(腸)で飼育する超実践主義、現場主義者が藤田先生です。

ご自身の実体験は著書の中でも紹介されています。

かなり独特な方ですが、推奨する本の内容は医薬業界で取り入れられている方法もあり、薬業界の現場と共通する事が多くあります。

腸活について

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腸活とは、名前の通りで腸に良いことをしてあげることです。身近でイメージしやすいものに、ヨーグルトなどの発酵食品を摂ることがあると思います。

薬業界の現場で薬剤師の方などから伺う話は、TV CMなどで形成されたイメージよりも具体的なものが多く、また奥深さにも驚かされます。

現在の科学的知見で分かっている腸内の事情、また 脳との関係性 を知ることで、より実践的な腸活につながっていきます。

腸内における「2:7:1」という数字

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「2:7:1」この数字が示すものは、我々の腸内に存在する 腸内細菌の割合 です。腸内には約500兆もの腸内細菌が存在すると言われています。この腸内細菌のことを、「腸内フローラ」という言葉で表現します。フローラとはお花畑という意味で、腸内を可視化したときに、腸内細菌の様子がまるで花畑が広がっているように見えるため、この呼称がついたそうです。

2:7:1=善玉菌:日和見菌:悪玉菌

この数字はあくまでも目安ですが、正常時の腸内における腸内細菌の割合と言われています。

均衡を保つ菌たち

先程の「2:7:1」という数字は、「善玉菌:日和見菌:悪玉菌」の割合を示しています。この菌たちは実際どのような役割を持っているのでしょうか。

  • 善玉菌:乳酸や酢酸などを作り出し、体によい働きをする
  • 日和見菌:勢力の強い方に傾いて働きかける
  • 悪玉菌:タンパク質などを分解し、体に良くない物質を作り出す

善玉菌は、食物から取った栄養素を生命活動に必要な栄養素へと転換するなど、なくてはならない存在です。人が生きていく上で欠かすことのできない、生涯大切にすべきパートナーです。

悪玉菌は、正常時においては善玉菌より少ない割合となっています。しかし、動物性タンパク質などの摂りすぎ、食物繊維の不足などにより活性化するいわば必要悪と言えるかもしれません。偏った食生活、睡眠習慣などの要因によって悪玉菌が増えてしまうと、腐敗ガス(くさいおなら)や毒素の産生が進み腸内の状態が悪くなってしまいます。

腸内細菌の割合を変化させるもの

この腸内細菌の割合に変化をもたらすものに、 ストレス・偏った食事・薬の使用など の要因があげられます。これらの要因は腸内細菌における善玉菌の割合を減らし、悪玉菌の割合を増やすという変化をもたらします。

変化をいち早く知るきっかけは、匂いと便通の変化です。

ダイエットと腸活

ダイエットと腸活の中で、一番重要なことは善玉菌を味方につける食事を摂ることにあります。善玉菌たちに必要な栄養素は主に炭水化物です。

炭水化物と聞くと、ダイエットにおいて敬遠すべき対象と思われるかもしれませんが、そうではありません。

ヤセ菌を活性化させる

藤田先生は、3種類に大きく分けられた腸内細菌を分かりやすく表現する上で、デブ菌、ヤセ菌と分類していました。

  • デブ菌(悪玉菌の一種):太りやすい
  • ヤセ菌(善玉菌の一種):痩せやすい

本の中では、先進国(富栄養)と発展途上国の人での食生活内容と腸内細菌を比較したところ、発展途上国のほうがヤセ菌が多いと述べられていました。

先進国である我々日本人は、ヤセ菌である善玉菌を活性化する必要があるのです。

善玉菌を活性化させる食事内容

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炭水化物=糖質+食物繊維

この方程式を理解する事で、「炭水化物=カロリー」というダイエットにおける 固定観念を払拭 できると思います。

善玉菌は炭水化物を必要としているといっても、純粋な糖質(砂糖)を必要としているわけではないのです。つまり、炭水化物の内訳を考える事で、カロリーも腸内環境へ送る栄養も最適化できるようになります。

善玉菌が必要としている栄養素とその栄養素を含む食品はこのようなものがあります。

  • 不溶性食物繊維:水分を吸収して便の量をふやす、また腸内細菌のエサとなり腸内環境の改善に役立つ(大豆、いも、きのこなど)
  • 水溶性食物繊維:血糖値の上昇を穏やかにする、また腸内細菌のエサとなり腸内改善に役立つ(果物、わかめ、キャベツなど)
  • オリゴ糖:ビフィズス菌などの増殖を促し、腸内フローラのバランスを整える(バナナ、ごぼう、アボカドなど)

食物繊維の重要性は、 厚生労働省のHP にも記載がされています。

善玉菌を味方につけることで痩せやすい体質をつくり、ダイエットの基礎を固めることに繋がります。

腸活から脳に目を向ける

腸活は単に腸内環境を良くすること、ダイエットにつながることだけにとどまりません。より効果を得るためには、ストレスとの関連性を知る必要があります。特に現在の自粛生活など、生活環の大きな変化により、多くの人がストレスにさらされているからです。

ストレスによる腸内環境の変化は、間接的に様々な影響を人体に及ぼしていることが分かっています。例えば、睡眠に関わる問題やアレルギーの悪化など、一見腸内環境とは関係が無いように見える問題として現れているのです。

一体ストレスはどのように腸に影響を与えるのか、それを紐解くためには「脳」との関係性を理解する必要があります。次回の記事では、一見別もののような腸と脳の深い関わりを学んでいきます。