医薬業界営業マン、おたまさんの日記

「健康に関してプロで在りたい」

登録販売者試験に4ヶ月で挑む②

試験勉強を開始してから約1か月が経過して、参考書(約400ページ)のちょうど真ん中あたりに差し掛かった時のことです。

勉強を開始した時の記事はこちら

www.otama3.info

最初はとても進みが良かったのに、ある地点から急ブレーキがかかりました。いわゆる難所にぶつかったのです。

私は仕事で登録販売者の方との接点が多くあるため、実際に試験を受けてこられた方々に、話を聞いてみました。 すると、試験勉強の際に時間を多く割いてこられた部分だったことが分かりました。

今回は登録販売者の勉強をすると現れる難所と、その難所を学ぶ具体例を紹介していきます。

試験を構成する5項目

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登録販売者試験の難所を説明するためには、まず試験に出てくる項目を知る必要があります。試験は5つの項目から構成されており、それぞれで正答率7割を獲得しなければ試験に合格することはできません。

試験に出る5項目はこのようになっています。

  • 医薬品に共通する特性と基本的な知識(医薬品って?)
  • 人体の働きと医薬品(体の中でどう働くの?)
  • 主な医薬品とその作用(薬の小難しい成分名と作用)
  • 薬事関係法規・制度(どういう法律が絡むのか)
  • 医薬品の適正使用・安全対策(そのまんま)

この5項目のうち、1項目を除いて問題数は20問と同じになっています。その1項目というのが難所である「主な医薬品とその作用」で、問題数は他項目の倍になっています。

難所「主な医薬品とその作用」

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この「主な医薬品とその作用」という項目は、参考書を手に取ってみるとわかるのですが、他項目の倍の厚さがあります。

どのような内容なのかというと、薬に含まれている物質の名前とその作用・副作用、使い方 に関するものです。

病気に用いられる薬の成分は数多くあります。その薬の成分は、異なる病気や症状に対して重複することがあります。そのためややこしく、勉強する人を混乱させてどろ沼に落とします。

この沼の入り口となるのは、おそらく 風邪薬 です。誰でも購入できる薬の中で、最も認知度の高いこの薬は、ドラッグストアで最も売り場面積を占める薬でもあります。

風邪薬は対応する症状が多いため、製品の種類が豊富であり、また構成している薬の成分も多くなっています。

風邪薬を知る

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風邪をひいたことがないという人は、ほとんどいない思われます。誰でもかかる可能性のある風邪は、日ごろ健康な人がかかったとしても症状が重篤になることがほとんどありません。(基礎疾患などがあれば別)

TVで最も放送される医薬品のCMは、ダントツで「風邪薬」です。先の売り場面積の話を合わせてたどり着く真実は 「風邪薬=一大商圏」 ということです。

もし興味のある方は、ドラッグストアの売り場を確認してみてください。聞いたことのある医薬品メーカーから、あまり馴染みのないメーカーのものまで、数多くの風邪薬が陳列されているはずです。

風邪薬の教科書「ベンザブロック」

そんな風邪薬ですから、参考書を見ても理解しづらいものです。

風邪薬が構成成分によって、どのように違いが出るのかを理解するうえで、ベンザブロックという製品はとても良い学習教材 となります。個人的に綾瀬はるかさんが好きですが、決してその趣味による紹介ではありません。

ベンザブロックは、公式HPの中で「(略)そうなる前に、鼻・のど・熱、自分に合ったベンザで早めの対処をお願いします。」という宣伝をしています。

3種類あるベンザブロックは、症状ごとに対応しています。つまり、ベンザブロックを知ることで風邪薬が理解しやすくなります。

色の違いは成分の違い

ベンザブロックは3種類の色でパッケージが色分けされています。

  • 黄色は鼻
  • 白色はのど
  • 青色は熱

各色で対処する症状が違いますが、その理由は成分です。解熱鎮痛成分がベースとして含まれており、それに加えて特徴づける成分が異なっています。

黄色(鼻)には、ヨウ化イソプロパミド、d-クロルフェニラミンマレイン酸塩が含まれていて、鼻水を抑えることに特化しています。

白色(のど)には、アセトアミノフェンとイブプロフェンという鎮痛と抗炎症作用をもった成分が含まれています。また、グリチルリチン酸と呼ばれる抗炎症作用をもった成分もふくまれています。※黄色と青色にはこの成分は含まれていません。

青色(熱)には、イブプロフェンが600㎎/日と、病院で処方される薬と同じ量が含まれています。

症状を抑えるために、薬に含まれる成分を調整しているのがベンザブロックシリーズです。実物を学ぶこと で理解速度は上がります。

風邪薬の使用目的

風邪薬は風邪の症状を抑えて治してくれる有能な薬、と思うかもしれませんが、実際は 対処療法 です。諸症状の緩和であって根治ではありません。

登録販売者の参考書の中で風邪は「生体の免疫機構によってウイルスが消滅すれば自然に治癒します」と書かれています。

つまり風邪は勝手に治る、というわけです。加えて「風邪薬にはウイルスを体内から除去する作用はありません」とも述べています。

では、風邪を根治するにはどうすればいいのでしょうか。そのためには体の免疫をしっかり働かせることが重要になります。免疫を働かせるためには、良質な栄養と睡眠が必須と、非常に単純な回答が示されています。

おわりに

薬について学んでいくと、薬を必要以上に取り入れることはないことが分かってきます。風邪薬を例に取り上げましたが、今ある症状を抑える対処療法としての薬のスピード感は重宝します。

しかし、その反面 副作用の存在 が軽んじられていることも事実です。

仕事柄、あまり薬を使わないようにしてきていました。今回、勉強を始めることで、薬というものは一体何なのかを再度考えるようになりました。