医薬業界営業マン、おたまさんの日記

「健康に関してプロで在りたい」

妻が妊婦糖尿病と診断されました

妻が初期の妊婦検診で、血糖値が若干高く再検査をすることになりました。

妊娠していない時の健康診断では、血糖値で引っかかったことは1度もなかったそうで、少し落ち込んでいたのはここだけの話。

「再検査で引っかからなければ大丈夫だよ」

そう声をかけた1週間後の再検査にて、血糖値は再び基準値を超えました。その結果、妻は妊娠糖尿病と診断されたのです。

そもそも妊娠糖尿病とは?

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妊娠糖尿病とは、妊娠中にはじめて明らかになった糖代謝異常のことを言います。糖代謝異常と言うと難しく聞こえますが、要は妊娠したことによって糖尿病になった状態ということです。

名称の通り、妊娠中に分かった場合に妊娠糖尿病と言います。

妊娠すると、妊婦自身のインスリン(血糖値を下げるホルモン)が働きにくくなる ということが知られています。妊娠中は通常時と体の状態が異なっているため、通常の糖尿病とは区別されています。

2002年に日本産科婦人科学会より、妊娠糖尿病に関する見解や定義が発信されています。

その中には、妊娠中に発見することにより、将来の糖尿病に進展する可能性を踏まえて、適切な治療と管理を行う必要があると書かれています。

妊娠糖尿病がどのように診断されるのか、どのようなリスクがあるのかを簡単にまとめます。

診断基準

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一般社団法人 日本内分泌学会HPによると、診断基準は以下のようになります。

糖負荷試験(75gのブドウ糖を摂取)をした際に、以下の いずれか1つ でも当てはまった場合は、妊娠糖尿病と診断されます。

  • 空腹時血糖92mg/dL以上
  • 1時間値180mg/dL以上
  • 2時間値153mg/dL以上

この糖負荷試験を駄菓子で見立ててみると、森永のブドウ糖ラムネ(内容量41g)2袋の一気食いに相当します。糖負荷試験のイメージができない方は、ぜひ試してみてください。

※2010年までの診断基準

公益財団法人 日本産婦人科学会HPによると、以前の診断基準は以下のようになります。

糖負荷試験は同じですが、2つ以上当てはまった場合に診断されていたため、現在の基準と比べてだいぶゆるくなっています。

  • 空腹時血糖100mg/dL以上(現在より8mg高い)
  • 1時間値180mg/dL以上(変更なし)
  • 2時間値150mg/dL以上(現在より3mg低い)

2010年の変更以降、妊娠糖尿病患者数は明らかな増加 を見せています。

この病気のリスク

この病気において懸念されるリスクは、母体と胎児・新生児合併症です。

血糖値のコントロール がうまくいかず、高血糖の状態が続いてしまうと、母体には糖尿病による症状が出てくる可能性があります。また、以下のような影響が胎児に起きる可能性があります。

  • 巨大児
  • 新生児低血糖
  • 先天奇形や発育遅延
  • 最悪の場合流産

場合によっては帝王切開の可能性も出てくるので、妊婦の方以外でも血糖値をコントロールする術は学んでおいて損はありません。

血糖値のコントロールについては後日紹介したいと思います。

転院のお知らせ

妊娠糖尿病の概要を知ったうえで、たま家の話に戻ります。妻は当初、職場から最も通いやすい産婦人科に通院していました。

とても親身になってくれる良い先生だったのですが、こういう時世もあり、家に近い病院を勧めてくれました。紹介状を書いてくれて、家に近い産婦人科へ移ることとなりました。

この度妻が妊娠糖尿病と診断されたのは、2件目である家に近い産婦人科の検診でのことでした。診断された日、妻は大きい病院への転院を強制されることとなりました。

「はい、紹介状書いてあげるから」

糖負荷試験の再検査を行い、妻はその結果を院長から直接聞かされたそうです。試験から1時間後の血糖値が185くらいと、わずかにオーバーしたことで妊娠糖尿病と診断されたそうです。

結果を説明された上で「はい、紹介状書いてあげるから」と、地域で一番大きい大学病院への紹介状を書いて渡してきたそうです。

血糖値が適正域になったらどうなるのかなどの説明もなく、実質転院を告げるだけの診察だったそうです。

妻から聞いて、とても悲しくなりました。しかし、妻はそれ以上に落胆しているであろうことは容易に推察されました。

わざわざ家の近くの産婦人科を紹介してもらって通院し始めたにもかかわらず、不本意ながら転院を余儀なくされました。現在妻は徒歩・バスで40分かけて通院しています。

さいごに

転院となり、妻の妊婦健診には内科検診も加わる事となりました。しかしながら、今のところ、血糖値が上がりにくい主食(GI値に基づく)の選定を含めた食に関する指導はあまりないそうです。

血糖値の上下は、妻の気持ちの上下にも関わってきます。そのため、家庭内で可能な範囲で、糖質制限を取り入れたいと考えています。

妊娠糖尿病の妻が課されたことと、血糖値をあげないための取り組みが生かしていただけるよう、今後まとめていきます。