医薬業界営業マン、おたまさんの日記

「健康に関してプロで在りたい」

健康志向とは?「スーパーサイズミー2:ホーリーチキン(2019年)」を見て

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「スーパーサイズミー(2004年)」という映画を御存じでしょうか。朝昼晩、マクドナルドのセットメニューのみの食生活を1か月間続けるとどうなるかを検証し、ファーストフード業界に風穴を開けるような内容の映画です。

そんな頭のネジが飛んだ監督モーガンによる映画の続編がアマゾンプライムビデオで公開されていたため、すぐに見てみました。モーガンが撮影したのは進化したファーストフード業界の実態…少し経営の要素が強いかもしれませんが、思った以上に私たちを取り巻く食品事情はヤバイ状態にあるのかもしれません。

健康志向という罠

野菜もたくさん入っているし、ヘルシーで健康そうに見える、そして食べるとおいしい! ファーストフードが身近な存在となっていることは、 厚生労働省HP ファストフードのエネルギー(カロリー) を見ても解ります。

映画の作中、アメリカファーストフード業界が大きな進化を遂げたことが明らかになります。それは 健康志向 を取り入れたということです。製品の見栄えは素晴らしくなったものの、提供される食品のカロリーなどが根本的に変わったわけではありません。消費者心理を巧みに操作することで、購入する我々の罪悪感をコントロールするという恐ろしい術を身に着けてしまったのです…

ずぼらな健康意識

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こんな表記をされると美味しそうに思いませんか?

  • 手作りの○○
  • 天然の○○を使用しています
  • 産地直送の○○

こういった表記、実は 健康ハロー効果 というものが取り入れられています。

普通の事がさも特別な事のように聞こえる魔法です。「店頭で手作りしています!」店頭で盛り付けはしているけれど、大部分の加工は工場でされている、実はよくある話なのです。

食品に対する若い世代の求める要素として、原料の透明性 が挙げられると映画の中では紹介されていました。産地はどこだろう、安全なのだろうか?と考えるのは当たり前かもしれません。しかしなぜか、ファーストフードではこの食の安全セキュリティが働かなくなることがあります。

【※これはイメージです】

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とあるハンバーガーショップで壁のイメージ写真を見ているとします。牧草の広がる丘で牛がのびのびと草を食んでいるイメージ写真…あくまで イメージ なのです。

消費者の頭の中では、さもそのような環境で育った健やかな牛のお肉を食べている気になっています。

しかし、現実は異なります。 放牧などはされることなく、徹底的に合理化された工業製品の様に飼育されているのです。 こういった実情は下記の記事で詳しく取り上げています。

小手先の言葉やイメージ写真で印象が操作され、 食べているモノの真実が見えにくくされている ことが指摘されていました。

2020年4月より適用された食品表示法(改定)は、消費者が自主的かつ合理的に食品を選択することを目的とした法律です。どこで作ったものなのか、または加工したのか、添加物は何かなどが消費者に分かりやすくなったという事ですが…。果たして一目で判断できるのでしょうか。

合理的な選択を目的とは裏腹に、一目で判断できないという実情(状況)があるならば、まだこの法改正には表示の抜け道があるように思えてなりません。

ファーストフード店の全てを暴露するファーストフード店

結局のところ、企業は様々な手を駆使してハイカロリーの食べ物を ヘルシーに見せている だけなのです。これはアメリカだけの話ではなく日本も同じです。最近でいうとバンズをお米にしていたり、健康そうに見える商品の提案が増えていると思いませんか?

モーガンはファーストフード業界と戦うため、敢えてファーストフード店をオープンしました。従来のファーストフード店は情報を隠蔽し別の方法で如何にクリーンに見せるか尽力してきました。しかしモーガンは従来のファーストフード店とは真逆の発想で、全てを暴露するためのお店をオープンしたのです。ショッキングな実情を知ることになった来店者たちは驚きを隠し切れない様子でした。

まとめ

ファーストフードはスタイリッシュにみえる反面、栄養素の観点から確実に不足しているものがあることが厚生労働省HPにも記載されています。

きれいに盛り付けられても、果たして使われている原材料となった家畜の飼育状況はどうだったのでしょうか?

果たしてイメージ写真のように本当にクリーンなのでしょうか。今一度利便性で見えなくなり、犠牲にしているかもしれないものを考えてみる必要があるのかもしれません。

健康志向のつもり。でもファーストフードや外食が大好き!という方はこの映画を一度ご覧になってはいかがでしょうか。