独学で登録販売者の勉強をしてきたことを、自身の復習を兼ねてアウトプットしていきます。詳細は省き、概要の理解ができるように作成していきます。
今回は第3章の要点、主に風邪薬を軸にまとめていきます。
より詳しく知りたい方は、厚生労働省 試験問題作成の手引きの64~212ページを参照してみてください。
第3章
第3章の内容は「主な医薬品とその作用」となっています。医薬品に含まれる成分が、どのように効いていくのか、またどのような副作用があるのかを学習していきます。
学習内容は構成される全5章の中で最も多く、挫折の要因となることで有名な章です。ここは概要を理解した上で、根気強く関連用語を覚えていく必要があります。
主な医薬品とその作用
第2章であった人体の構造理解を前提として、3章の内容は展開されていきます。
- 消化器系(口・胃・小腸・大腸+膵臓と肝臓)
- 呼吸器系(口・気道・肺)
- 循環器系(心臓・血管)
- 泌尿器系(腎臓・膀胱・排泄器官)
- 感覚器官(皮膚・耳・目)
- 運動器官(骨・筋肉)
- 脳・神経系(中枢神経系・末梢神経系)
各臓器における細胞小器官や酵素、ホルモンについての記載は割愛しています。
風邪薬
本来自然治癒する風邪に用いる風邪薬ですが、成分名称とその作用について覚えることが最も多くあります。大変な代わりに、成分の多くが他の病気に使用される成分と重複することが多い です。そのため、風邪薬の学習を徹底することは後々活きてきます。
解熱鎮痛成分(熱を下げ、痛みを抑える)
熱を下げて痛みを抑える成分ですが、種類が多くあります。小児への使用可否、ピリン系の正誤は過去出題されてきました。また生薬成分は、強心薬や婦人薬 においても関連してきます。
- アスピリン、サザピリン(※ピリンと付くが、ピリン系ではない)
- サリチルアミド、エテンザミド
- アセトアミノフェン(※唯一小児のインフルエンザに使用可)
- イブプロフェン
- イソプロピルアンチピリン(唯一のピリン系)
- 生薬成分(解熱):ジリュウ、ゴオウ、カッコン、サイコ、ボウフウ、ショウマ
- 生薬成分(鎮痛):センキュウ、コウブシ
抗ヒスタミン成分、抗コリン成分
ヒスタミンやアセチルコリン分泌を抑制して、鼻水やくしゃみを抑えます。抗ヒスタミン成分、抗コリン成分は 他でも頻繁に目にする成分 です。
抗ヒスタミン成分
- クロルフェニラミンマレイン酸
- カルビノキサミンマレイン酸塩
- メキタジン
- クレマスチンフマル酸塩
- ジフェンヒドラミン塩酸塩
抗コリン成分(コリン = アセチルコリンのこと)
- ベラドンナ総アルカロイド
- ヨウ化イソプロパミド
アドレナリン作動成分
交感神経を優位にして、血管収縮や気管支を拡張させる働きがありますが、依存性もあります。
- メチルエフェドリン塩酸塩
- メチルエフェドリンサッカリン酸
- プソイドエフェドリン塩酸塩
- 生薬成分:マオウ
鎮咳成分(咳を抑える)
延髄にある咳中枢に直接働きかけて作用します。コデインリン酸塩、ジヒドロコデインリン酸塩は依存性があります。
- コデインリン酸塩
- ジヒドロコデインリン酸塩
- デキストロメトルファン臭化水素酸塩
- ノスカピン
- チペピジンヒベンズ塩酸
- クロペラスチン塩酸塩
- 生薬成分:ナンテンジツ
去痰成分(痰の切れをよくする)
- グアイフェネシン
- グアヤコールスルホン酸カリウム
- ブロムヘキシン塩酸塩
- エチルシステイン塩酸塩
- 生薬成分:シャゼンソウ、セネガ、キキョウ、セキサン、オウヒ(生薬)
抗炎症成分(炎症を抑える)
鼻粘膜やのどの炎症による晴れを和らげます。グリチルリチン酸(カンゾウの生薬成分)は抗炎症成分として、また大量摂取による偽アルドステロン症も問われます。
- セミアルカリプロティナーゼ
- ブロメライン
- グリチルリチン酸二カリウム(グリチルリチン酸)
- トラネキサム酸
- 生薬成分:カミツレ:アズレンスルホン酸ナトリウムが主成分
風邪薬に配合される漢方処方製剤
主な処方は以下のようにあり、半夏厚朴湯のみ カンゾウを含んでいません。また、麻黄湯、葛根湯、小青竜湯はマオウを含んでいます。風邪以外にも用いられるものとして、小柴胡湯、柴胡桂枝湯、小青竜湯、麦門冬湯があります。
- 葛根湯
- 麻黄湯
- 小柴胡湯
- 柴胡桂枝湯
- 小青竜湯
- 桂枝湯
- 香蘇散
- 半夏厚朴湯
- 麦門冬湯
鎮静成分、制酸成分、カフェイン、ビタミン
鎮静成分は、解熱鎮痛成分の補助を目的として配合されることがあります。
- ブロモバレリル尿素
- アリルイソプロピルアセチル尿素
制酸成分は、解熱鎮痛成分による胃腸障害軽減を目的として配合されることがあります。
- ケイ酸アルミニウム
- 酸化マグネシウム
- 水酸化アルミニウムゲル
カフェイン類は、鎮静成分と同じ働きを期待しています。また、中枢神経系を刺激する作用があります。
- カフェイン
- 無水カフェイン
- 安息香酸ナトリウムカフェイン
ビタミン成分などは、発熱などで消耗されやすいものの補給を目的としています。滋養強壮保健薬 の学習 で登場します。
- ビタミンC(アスコルビン酸、アスコルビン酸カルシウムなど)
- ビタミンB1(チアミン塩化物塩酸塩、チアミン硝化物、ジベンゾイルチアミン、ジセチアミンなど)
- ビタミンB2(リボフラビン、リボフラビン酸エステルナトリウムなど)
- ビタミンP(ヘスペリジン)
- タウリン(アミノエチルスルホン酸)
風邪薬以外の薬での応用
風邪薬に含まれる成分は、解熱鎮痛成分からビタミンまで多岐にわたります。
風邪薬以外に学習範囲になっている薬を、試験問題の手引きに基づいて羅列してみました。風邪薬で学んだ内容が、少しでも関わる場合、カッコ表記で記載しました。もちろん、追加で学ぶことはそれ以外にもありますが、少し頑張ろうと思ってただけると幸いです。
- 解熱鎮痛薬(解熱鎮痛成分)
- 眠気を促す薬(抗ヒスタミン成分、鎮静成分)
- 眠気を防ぐ薬(カフェイン)
- 鎮暈薬(抗ヒスタミン成分、抗コリン成分、鎮静成分)
- 小児の疳
- 鎮咳去痰薬(去痰成分、アドレナリン作動成分、抗ヒスタミン成分、抗コリン成分、抗炎症成分)
- 口腔咽頭薬・うがい薬(抗炎症成分)
- 胃の薬(制酸成分、抗炎症成分、抗コリン成分)
- 腸の薬
- 胃腸鎮痛鎮痙薬(抗コリン成分)
- その他消化器官薬
- 強心薬
- 高コレステロール改善薬(ビタミン)
- 貧血用薬(ビタミン)
- その他の循環器系用薬
- 痔の薬(抗ヒスタミン成分、抗炎症成分、ビタミン)
- その他の泌尿器用薬
- 婦人薬(ビタミン)
- 内服アレルギー用薬(抗ヒスタミン成分、抗炎症成分、アドレナリン作動成分、抗コリン成分、ビタミン)
- 鼻に用いる薬(アドレナリン作動成分、抗ヒスタミン成分、抗炎症成分)
- 眼下用薬(アドレナリン作動、抗ヒスタミン成分、ビタミン)
- 皮膚に用いる薬(抗炎症成分、抗ヒスタミン成分)
- 歯や口中に用いる薬(抗炎症成分、ビタミン)
- 禁煙補助剤
- 滋養強壮保健薬(ビタミン)
- 漢方処方製剤・生薬製剤
- 公衆衛生用薬
- 一般用検査薬
まとめ
要点のみを記載するつもりですが、やはり3章は内容が多くなってしまいました。
付随する名称や作用機序をだいぶ端折りましたが、学習していくうえで覚えることはとても多くなります。あくまで私の意見ですが、風邪薬を網羅する ことで、全体の流れは理解しやすくなると思います。
次は第4章に続きます。