先日、子どもが風邪を引いたため漢方薬を購入して飲ませていました。親になり思うのですが、幼児は本当に風邪を引きやすいですね。両親には改めて感謝です。
今回の風邪はなかなか治りが遅く、子どもと妻、私を含む家族全員が疲弊していました。
腸内環境への補助で早く治るかもしれないと思い、整腸作用のあるものを取り入れることにしました。
あの論文は割とポピュラーだった
前回、漢方薬が効くためには私たちのお腹にいる腸内細菌が重要 であると書きました。前回の記事はこちら。
この時紹介した論文について、取引先の薬剤師数名に聞いてみたところほとんどの方が知っていました。
※ただし、ここ20年以内に卒業した若手の世代に限定
ある薬科大卒の薬剤師は、この論文を授業で聞いたことがあると言い、漢方薬を勧めるときに相談者の体の状態(消化器系の状態)もできる限りヒアリングするようにしていると教えてくれました。
風邪の処方箋と整腸剤
漢方薬以外でも、薬と腸内細菌の関係性を垣間見る場面は身近にあります。子育て世代では特に顕著で、病院で風邪薬を処方された場合、整腸剤はほぼセットでもらっているはずです。風邪薬とよく処方されるメジャーな整腸剤に、ミヤBMがあります。
なぜ風邪薬と整腸剤が一緒に処方されるのでしょうか。実はその理由は処方される抗生物質という薬にあります。
抗生物質とはその字の通り「生物に対して抗うことが出来る物質」です。人類史で初めて発見されたのは、青カビがほかの細菌を殺すために分泌するペニシリンという抗生物質です。
この抗生物質は有益有害を問わずに、腸内細菌全体に対して働いてしまいます。その結果として、腸内環境は乱れてしまうのです。薬の中には、プロドラッグと呼ばれる腸内細菌の手助け(分解作用)によって、やっと効果を発揮し始めるものも存在するため、腸内環境の悪化は薬が効きにくくなる 側面も持っています。
幼児に使える整腸剤
幼児の場合、病院での診察は無料です。そして薬も無料でもらえます。親としては非常にありがたいのですが、無料だからといって全て鵜呑みにするわけにもいきません。
登録販売者試験にも出てきますが、風邪の原因のほとんどはウイルス によるものと記載されています。これは厚生労働省の問題作成指針に記載されていますが、抗生物質はウイルスに効きません。
こういった抗生物質の効能を知っていると、ただの風邪を引いた子どもに対して抗生物質を安易に(それも頻繁に)使いたくありません。(※細菌感染症には抗生物質が有用です)
そのため、たま家ではなるべく自然物由来である生薬から作られる漢方薬を使う方針を取っています。
ただし、幼児の消化器官は大人と比べて未熟であるため、漢方薬であっても子どもには負担となる場合があります。
子ども用の整腸剤
今回なるべく負荷を軽減するために、子ども用の整腸剤を購入することにしました。整腸剤を購入するにあたり、選んだ基準は2つありました。
1つ目は、子どもにとって強すぎる作用がないかです。これは整腸剤の適用年齢を軸に選定します。我が家のおちびさんは年齢的に幼児に該当します。そこまで作用の強いものはそもそも使うことができません。
2つ目は形状です。登録販売者試験の問題の中にもありますが、薬の形状によって子どもは薬に対して苦手意識を持つことがあります。そのため、今回は錠剤ではなく、顆粒か粉タイプを探しました。
その結果、子どもの疳の虫に使用することで有名な宇津救命丸株式会社の整腸剤を選択しました。
少し汚い話ですが、子どものおむつを替える時には 必ずうんちの状態を確認 しています。今回、うんちが少しゆるくなっていたため、整腸剤の適用範囲として併用しました。
さいごに
併用を開始したところ、軟便ぎみだった便も普通になり、ずるずると治らず引きずっていた風邪症状もすんなり回復しました。
腸内環境の状態が漢方薬の効果に差をもたらすというメカニズムを知ると、親が子どもにしてあげることは変わると思います。
病気にならないことが第一ですが、腸内環境を含めて子どものコンディションを整えることは重要という学びでした。