医薬業界営業マン、おたまさんの日記

「健康に関してプロで在りたい」

製造終了の酵素飲料 36年物の清涼飲料水を飲んでみた

f:id:Otama3:20211203105812j:plain

腸活という、腸のために良い食生活を取り入れていく方法の1つに、酵素飲料を使用するものがあります。「酵素飲料」は、薬業界において現在(も続く)トレンドであり、Googleで検索すると800万件以上ヒットする大きな市場でもあります。

そんな 酵素飲料の日本における元祖 と言ってもいい「レーゲン」という商品がありました。昭和から愛されてきたこの商品は、実は数年前に後継者不足からひっそりと製造を終えました。

そんな製造中止となった商品を、先日取引先から1本いただくことができました。それも36年前に製造されたプレミアムな1本を。

酵素飲料にまつわる話

酵素飲料といっても、分類は清涼飲料水だから飲めるわけないだろと普通は思いますよね。

でもこの薬業界は特殊な商品が多く、本当か嘘か確かめたくなるような話が多くあります。実際に、ある老舗酵素飲料メーカーに勤める営業さんからはこのような話を聞いたことがあります。

それは 「酵素飲料は、もともと賞味期限を設けておらず、腐らない。」 という話です。なんでも、多少時間を置くことで、希少糖などが生成されるらしいのです。

つまり、酵素飲料は古くても飲むことができる、まるでワインのような飲み物かもしれないということでした。ただし、飲めないものもあるそうで、砂糖を大量に入れただけのものや、添加物まみれのものは除外されるそうです。

本当に飲めるの?

f:id:Otama3:20211203110112j:plain

いただいた製品を開けてみると瓶に「850822」という数字が記載されていました。この数字は1985年8月22日に製造したということを意味しています。同年は期限制度が導入された年でしたが、義務化ではなく、ほとんどの製品には製造年月日の記載がされているのみでした。

当時は賞味期限の記載自体がなかったわけです。賞味期限の記載義務がなかった時代 を知らなかったため、制度を勉強する機会になりました。

私の働く医薬業界において、酵素飲料というものは先ほどの営業さんから聞いたように、賞味期限は過ぎても飲めるといわれることが多くあります。これは一般食品においては、その食品をおいしく食べることが可能な目安として表記されています。

しかし、36年前に製造された酵素飲料は果たしてどうなのでしょうか。アルコール飲料を除き、ここまで長い期間品質が保証された食品自体がないのかもしれません。いや、無いと思われます。

36年物開栓

f:id:Otama3:20211203110626j:plain

自動販売機やコンビニで販売されているペットボトル入りの清涼飲料水であれば、私もさすがに36年前のものは飲もうと思いません。

しかし、瓶詰された酵素飲料の元祖の商品ということもあり、先の営業さんの話を信じて、意を決して飲んでみることにしました。

写真を取り忘れてしまったのですが、さすがに瓶のふた部分(金属)の周りには結晶化した茶色い砂糖のようなものが付着していました。

腐っていなかった

f:id:Otama3:20211203110711j:plain

まず、瓶の口を消毒用ウエットティッシュで拭いて、付属していた同じく36年前の計量カップも拭きました。

遮光瓶のため、内容物の色はよくわかりませんが、水面部分にオリのようなものも浮いておらず、見た目は大丈夫そうです。

いざ開けてみたところ、芳醇なにおい(いわゆる酵素飲料の匂い)が広がりました。腐敗した臭いではなく一安心です。

計量カップに注ぐ

瓶を傾けると、はちみつのようにゆっくりとワインのような色の液体が計量カップに注がれていきます。

製造中止となる前に、この「レーゲン」を一度購入して飲んだことがあったのですが、その時と比べて若干とろみが増しているような気がしました。

淀んだ感じはなく、まるで成熟したポートワインのように見えます。

五感を総動員して安全確認を行った結果、本能はGOサインを出しました。

飲んでみた

錯覚かもしれませんが、計量カップを持つと健康診断で飲むバリウムのような重量感を感じました。36年の重みでしょうか。

また、味は以前飲んだものよりもかなり濃厚に感じました。販売が終了しているため、もう飲み比べること自体が困難ですが、記憶よりも若干酸味が増しているようでした。

一体何の味に近いのかをしばらく考えてみたところ、おそらく甘口のシェリー酒ではないかという結論に至りました。香りはこのお酒に近いのではないかと思います。

36年も時を超えてきた酵素飲料と出会えたことに、改めて敬服しました。

結論を言い忘れましたが、おいしく飲むことができました。 翌日も体調不良になることなく、問題ありませんでした。

さいごに

老舗酵素飲料メーカー営業さんも、まさか36年前に製造したものを飲むとは思っていなかったと思います。

ですが、実際に飲むことができました。健康になったかは別としてですが笑

玉石混交の酵素飲料市場ですが、本物はぜひ残ってほしいものです。

関連株的思考と、駆虫薬の話

以前私は株式投資で大やけどを経験したことがあります。関連株投資といって、関係性のある会社や分野に対する投資をするものでした。

関連するといってもまったく同じではないわけで、期待通りにならなかったわけです。

薬において、含まれる成分を関連株のように見立てることは容易です。解熱剤という薬の成分に注目すると、効果は同じで異なる成分が何種類も存在しているからです。

今回の話は、駆虫薬の成分の1つである「イベルメクチン」が、一時期コロナの治療薬に有効であると噂になったことからの学びです。というのも、関連株投資のように、このイベルメクチンと関連する駆虫薬を買い占めようとした人がいたのです。

駆虫薬とは

駆虫薬は、腸管内の寄生虫に対して、これを駆除するために用いられる医薬品である。一般用医薬品の駆虫薬が対象とする寄生虫は、回虫とぎょう虫である。

厚生労働省登販売者試験の問題作成の手引には、このように記載されています。

一般では、ぎょう虫検査 と聞いてピンと来る方が出てくるのではないでしょうか。

2015年度にこの検査は廃止となったそうで、あのお尻にペタッと貼り付ける所作を知らない人が増えてくることに驚きを隠せません。

一般購入可能な駆虫薬

一般の方が薬局やドラッグストアで購入できるものは、パモ酸ピルビニウムが主成分のパモキサン錠(第2類医薬品) があります。というよりも、これしかありません。

駆虫薬の成分は以下のようにあります。ペット用の回虫駆除薬は多くありますが、人用のものは一般流通していません。

  • サントニン(回虫)
  • カイニン酸(回虫)
  • ピペラジンリン酸塩(回虫・ぎょう虫)
  • パモ酸ピルビニウム(ぎょう虫)

なお、ネットで人の駆虫薬を検索するとヒマシ油が出てくることがあります。しかし、ヒマシ油の使用は「腸管内の物質をすみやかに体外に排除させなければならない場合」と規定されているため、ご注意ください。

厚生労働省の規定

f:id:Otama3:20211202181739j:plain

こういった駆虫薬は、果たしてコロナウイルスに効果があるのでしょうか。

駆虫薬に関して、あくまで一般用医薬品に限りますが厚生労働省は以下のように記載しています。

駆虫薬はその有効成分(駆虫成分)が腸管内において薬効をもたらす局所作用を目的とする医薬品であり、消化管からの駆虫成分の吸収は好ましくない全身作用(頭痛、めまい等の副作用)を生じる原因となるため、極力少ないことが望ましい。食事を摂って消化管内に内容物があるときに使用すると、消化管内容物の消化・吸収に伴って駆虫成分の吸収が高まることから、空腹時に使用することとされているものが多い。

局所的作用を目的としている上で、体内に吸収されることで副作用が生じると書かれていることから 本来の用途からは逸脱 していると考えられます。

イベルメクチン

話題となったイベルメクチンも、駆虫薬に分類されている成分です。この成分は、北里大学の大村智教授が発見した微生物の作り出す抗微生物活性を持つ物質を元に開発されたそうです。

ある薬剤師の方に聞いたところ、そのイベルメクチンの起源となった微生物はそれ以降見つかっていないと教えてくれました。(本当でしょうか?)

イベルメクチンは糞線虫(ふんせんちゅう)の駆除に用いられます。

コロナに効くと噂になった根拠を求めて、もともとある薬を新しい病気に使う既存薬再開発かと調べましたが、そういった情報はありませんでした。

※参照KEGG MEDICUSのイベルメクチンの添付文章

関連株と駆虫薬

f:id:Otama3:20211202180810j:plain

今でこそ、イベルメクチンにコロナウイルスに対する 効果はない と発表されています。しかし、冒頭に出てきた関連株のような考え方で、関連する駆虫薬を大量に仕入れている取引先がいました。

そこで人生で初めてぎょう虫駆除薬を目にすることとなりました。

この薬の有効成分である「パモ酸ピルビニウム」はどういう効果を示すのかというと、先程述べた通り局所的作用で腸管にいるぎょう虫を駆除するのみです。

2つの違い(リスク)

成分は異なりますが、同じ駆虫薬の成分である イベルメクチンは劇薬に指定 されているため、リスクが高くなります。そのため病院で処方されない限り、私達が使用する機会はありません。対して、パモ酸ピルビニウムを含む薬はドラッグストアで購入することができます。

  • イベルメクチン:劇薬、処方箋医薬品
  • パモキサン:第2類医薬品

根拠のない噂によるものか、一般的に目にする機会がないからでしょうか、海外から個人輸入をされる方も多くいたようです。

薬から別の作用機序が見つかったのなら別ですが、そもそもコロナは寄生虫ではなく、ウイルスであるということを理解すると、直接的な用途は異なりますね。

まとめ

何が正しいのか、そうではないのかは、正確な情報をベースに判断していくことをおすすめします。

まだ見ぬ治療薬や予防薬よりも、自身の体の免疫機構がいざという時働いてくれるよう、食養生をしっかりとすることが、今できる最良の方法かもしれません。

自身が試している糖質制限の応用 妻の血糖値は安定したか

楽をして瘦せたいという思いから購入した「炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学」という本を役立てる日が来ました。

妻の妊娠糖尿病診断後から(現在進行形)、たま家では食について見直しを図ってきました。病院で受けた指導を照らし合わせつつ、糖質制限の取り組みの実践記録を記載していきます。

それぞれの食指導

まず、妻が新たに通うことになった総合病院内の内科、糖尿病学会、読んだ本のそれぞれから得られた食指導に関して簡単にまとめてみます。

病院で受けた食指導

以前の記事で紹介しましたが、妊娠糖尿病診断された妻は産婦人科のほかに、内科の受診も増やされました。そのうえで、血糖値をコントロールするために受けた指導は 「よく噛んで、時間をかけて、時々休む」 でした。

妻から聞いたところ、特定の食べ物に対するGI値(血糖値上昇のしやすさ)の教示など具体的な指導は無かったそうです。

糖尿病学会の食指導

糖尿病なのだから、その大御所である日本糖尿病学会HPを調べてみたところ、2021年3月26日に掲載された糖尿病診療ガイドライン2019の中に食指導についての記載がありました。

一言で言うと「糖尿病における食事療法は、一生続けるべきもの」であるそうです。

食生活が多様化した現代では、一律の指導自体が合っていないとの見解でなるべく早いうちから管理栄養士の指導に沿って変えていくことが改善に近付くと書かれていました。

具体的だったのは「総エネルギー摂取量 = 目標体重 × エネルギー係数」において 個人の活動レベルにおける総カロリーを数値化 して、目安を提供していた部分です。

本の中での食指導

信憑性を問われる方がいるかもしれないので、今回参考にした本の作者は夏井睦さんという医者です。

血糖値を直接上げるものの存在を、まず炭水化物に含まれている糖質と明らかにして理論展開がされています。本の前半部分に、糖質の摂取制限(糖質制限)による血糖値上昇抑制 がとても分かりやすく解説されています。

結論から言うと炭水化物を制限して、タンパク質と脂質で栄養素を代替摂取・カバーする方法になります。

糖尿病学会ではカロリーの管理に主軸を置いていましたが、それとは真逆の考え方を提唱していて、医者の指導を重視されている方からすると違和感を感じるかもしれません。

夕食だけ炭水化物をゆるく制限

私自身、第3の食指導である糖質制限を夕食にだけ適応して、ダイエットに用いていました。運動による負荷を増やすことなく、1ヵ月の間に約4kgの体重減少がありました。

つまり楽に痩せることができたのです。そのうえで朝起きた時に感じる体の軽さなど、付加価値にも似た恩恵を得ることができました。

夕食だけのゆるい糖質制限ならば、妻もやってくれるのではと思い提案してみました。その結果、夕食時の白米を1/2〜3/1(または0)に減少させたうえで代替摂取を一緒にスタートしてくれました。

  • 乾燥おから
  • 豆腐(植物性たんぱく)
  • 豚肉や鶏肉(動物性たんぱく)

カロリー制限はせず、物量的に空腹を感じさせないよう量的な制限もしませんでした。加えて咀嚼回数を1口当たり40回を目標に意識するよう心掛けました。

「やっぱりお米だったんだ!」

ゆるい糖質制限を始めてから、血糖値(この場合食後2時間)が基準値を超えることはほぼなくなりました。血糖値で一喜一憂していたのが嘘のようです。

しかし、この制限をしてから2ヵ月目に初めて数値を越える日がありました。それは某回転寿司チェーンに行った時のことです。寿司は、銀シャリ(白米)の上に魚の切り身が載った食べ物です。大手の回転チェーンのしゃり(白米部分)は一貫あたり約15~16gと言われています。

妻はギャル曽さんのように大量に食べる人ではなく、食べても8皿程度です。この食事から2時間後、妻の血糖値は基準値を若干超えることとなりました。

「やっぱりお米だったんだ!」と、妻は 血糖値上昇の原因 をはっきりと自覚したそうです。

学びと対策

医薬業界から見て、糖尿病はここ40年ほど実際爆発的に伸びている市場となっています。

今回参考にした本の中には「糖質制限は医者から飯のタネを奪うから敬遠される」と書かれていました。実際に、健康に支障が出ない範囲で試した糖質制限は、妻の血糖値の安定という結果をもたらしました。薬を使わずに自己管理が可能となれば、まさにその通りになりそうだと思いました。

妻は自身の血糖上昇の原因が分かり、毎日の検査を不安そうに行わなくなりました。うれしい限りです。出産までまだ時間があるため、引き続き無理のない範囲で糖質制限を継続していきたいと思います。

妻が妊娠糖尿病になったので 血糖値を勉強し直しました

妻は2人目の子どもを妊娠後しばらくして、妊娠糖尿病と診断されました。この病気は糖負荷試験というお砂糖を飲む試験で、血糖値が測定する時間帯に基準を超えることで診断されます。

この診断指標とされる血糖値というものについて、職業柄一般の方よりは知っている程度でしたが、学び直す必要性が出てきました。

以前書いた妊娠糖尿病についてはこちら www.otama3.info

血糖値とは

f:id:Otama3:20211124223721j:plain

「血糖値」とは、その字の通りで血液の中に含まれている糖分(ブドウ糖)を数値で示したものです。

この血液中に含まれている糖分は、体を動かすエネルギー源として体の隅々まで運ばれています。このエネルギー源となる糖分ですが、私達は日々の食事により摂取しています。

糖分というと、砂糖の原料である炭水化物 からしか摂取されないと思いがちですが、実は体の中で脂質やタンパク質からも作り出されるメカニズムがあります。これを糖新生と言いますが、詳しいメカニズムは割愛します。

血糖値についてより詳しく知りたい方は、厚生労働省の運営する糖尿病 - e-ヘルスネットをご参照ください。

危ないけど、どう危ない?

f:id:Otama3:20211124224919j:plain

血糖値が高すぎるのは良くないと一般常識としてある程度認識されていますが、実際何が危ないのでしょう。

食事によって血糖値は一時的に上昇して、インスリンというホルモンの分泌により低下して、上下の波を常に繰り返しています。危ないのは、この 血糖値を下げる働きが弱くなった状態 です。この状態は一般的に糖尿病と呼ばれます。

血糖値が高い状態が続くと、血管がダメージを受けます。特に細い血管ほどダメージを受けやすいため、細い血管が集まった組織は徐々に機能低下などを起こします。放置すれば失明や腎臓機能低下など、糖尿病による合併症リスクが増加します。

糖尿病の診断基準

ではどれくらいの血糖値になると糖尿病と診断されるのでしょうか。日本糖尿病学会が示す診断基準は以下になります。

  • 空腹時血糖 ≧ 126mg/dl
  • ブドウ糖負荷試験 ≧ 200mg/dl

最後に食事をしてから10時間後に測定するのが空腹時血糖、お腹が空いている時です。対してブドウ糖負荷試験とは、ブドウ糖摂取によって食事後を再現しています。

ある私の知人(糖尿病)は、空腹時血糖が400mg/dlを超えていたことがあったそうで「さすがにやばいと思ったよ!」と言っていました。基準値の3倍以上の数値でしたが、(あくまで個人差がありますが)彼女の体感的にはちょっと疲れた程度だったそうです。

本人曰く、かなり 偏食であることが要因 だと分析していましたが、実際のところ食事と血糖値とは密接な関係にあります。

血糖値のコントロールとGI値

血糖値をコントロールするためには、食品のGI値を知ることが大切です。

血糖値を上げやすい食品、上がりにくい食品の指標としてGI値があります。GI値とは、グライセミックインデックスの略です。

食品に含まれる糖質の吸収度合いを数値化したもので、数値が高いほど血糖値が上昇しやすい食品になります。指標はブドウ糖(グルコース)を100としていて、それに近い数値の食品ほど血糖値を上げやすいわけです。

我が家では食物繊維や微量元素の多さを考えて、白米(GI値85)を5分づき米(GI値58)に変更していました。特に毎日食べる 主食の変革 は、血糖値コントロールに直結すると考えられます。

血糖値を上げる状況

f:id:Otama3:20211124225102j:plain

食事と血糖値は密接な関係にありますが、血糖値を上げる状況も存在します。

その多くはストレスがかかる時です。ストレスと言っても、身体的な負荷(労働のし過ぎ)や、精神的な負荷など様々です。

ストレスがかかると分泌されるコルチゾールと呼ばれるストレスホルモンは、その代表格です。コルチゾールが分泌されることで、一時的に血糖値が上昇します。この血糖値上昇は、体にエネルギーにブドウ糖を循環させて、一時的にパワーアップさせる効果があります。

そのため ストレスを受けやすい状況 だと、必然的に血糖値が上がることが増える可能性があるということです。

さいごに

食事が血糖値と直接的な関係にあることを理解することはとても重要です。

また、体がストレスによって血糖値を上げるメカニズムがあることを知ると、自分の意志で血糖上昇を回避することにつながります。

血糖値とは、食事の内容や生活のシチュエーションによって、大きく変化することを意識すれば上手に付き合っていくことが可能であることが分かりました。

なるべくハゲないための食事術

AGAクリニックに通う友人たむとの会話の中で「ハゲないためにできることはないか」という質問がありました。

なるべくハゲないために予防的視点で考えると、食事こそ最も身近で影響力があります。

食事と髪の毛の関係

f:id:Otama3:20211116201429j:plain

食事とは、体にとって必要なエネルギーと体を構築するのに必要な栄養素を摂取する行為です。

髪の毛自体は筋肉のように、直接エネルギーを使って動いたりする器官ではないので、構築する栄養素に着目 する必要があります。ただし、エネルギーは不必要なわけではなく、髪の毛が伸びる(成長する)過程においては必須になります。

髪の毛を構成しているのは、主にタンパク質です。そのためタンパク質が不足した食生活が続くと、髪の毛はハリやコシを失ってもろくなります。

また、髪の毛を組み立てる際には酵素が働きます。この酵素もタンパク質を分解したアミノ酸を原料に作られています。酵素はアミノ酸とさらにミネラルやビタミンがそこに組み込まれます。

髪の毛を作り出すために、必要な栄養素を含め、一度食生活を振り返ってみることが大切です。

必要な栄養素

髪の毛が生えるためには、まず タンパク質、そしてミネラルとビタミン が必要なことが分かりました。

では、これらの栄養素をどのように摂取すればいいのでしょうか。健康食品や医薬品の専門家である薬剤師や登録販売者の方々に聞いてみたところ、以下の2つを重視せよとのことでした。

「タンパク質は動物由来が良い」

「ミネラルやビタミンは複合的なものが良い」

タンパク質においては、大豆などの植物よりも肉や魚の方が動物である私たち人間により適したアミノ酸から構成されたタンパク質が摂取できるそうです。また、ミネラルやビタミンは旬で栄養価の高い野菜や果物を選択することが重要です。

忙しすぎて調理している時間がない方は、サプリメントを活用するのが有効であると考えられます。質の良いサプリメントの見極め方については今後まとめていきます。

摂りすぎ厳禁な栄養素

もちろん他の栄養素も体にとって必ず必要な栄養素であることに変わりはありません。

ただし、摂りすぎることで髪の毛に対してかなりの悪影響を与えてしまうものがあります。

それは 炭水化物 です。(厳密には炭水化物に含まれる糖質)

炭水化物は一言で言うと砂糖です。摂りすぎると血糖値は上がり、血管に対して炎症を起こすことが知られています(糖毒性)。

細かい血管ほど炎症の影響が表れます。毛根を囲む毛細血管はとても細いため、炎症が起きると必要な栄養素は毛根まで届かなくなってしまいます。

ある友人の例

f:id:Otama3:20211116201734j:plain

ある学生時代の友人は学生時代、若干前髪が後退してきているかな?位でした。

しかし、ある時期を境にその後退の速度が劇的に早まりました。それは、二郎系ラーメンにはまって週に1~2食を1年ほど続けていた時でした。

麺の量は大盛で、スープはほとんど残すことがなかったそうです。麺はほぼ炭水化物である小麦粉、スープにはすさまじい量の背油が使われています。

決して二郎系ラーメンに問題があるわけでは無く、節度の問題により、栄養バランスに大きな偏りがあったと考えられます。

また、細身だった彼は1年でふっくらした体型となり、大量の糖質が体重と血管に与えた影響も大きかったのではないかと考えられます。

まとめ

まずは食生活を見直すことで、自身の摂っているであろう栄養素の過不足を知ることができます。

状況が分かれば、あとは 栄養の過不足を調整 することができます。 大げさな言い方になりますが、栄養素の摂取状況をベストに保つことで、食事によりハゲるリスクを最小に抑えられます。

血糖値が高い状態が続く糖尿病では、脱毛症が併発する可能性を指摘するAGAクリニックもあります(参照)。

炭水化物の摂りすぎには注意しつつ、バランスの良い栄養摂取をしていくことが、なるべくハゲない食事につながります。

市場のたまごおじさんから聞いたお米の話

面倒くさがりな私は、ここ2年ほどお米はネット購入しています。子どもが生まれてからは特別栽培米(減農薬)に変更して、家族の健康に配慮を始めたものの、依然としてネット購入継続中です。

コロナが少し落ち着いたので久々に市場を散策してきました。ネットでお米を買っているくせに、と言われそうですが食のるつぼである市場はとてもおもしろいので以前はよく遊びに行っていました。

そんな市場にて、通称たまごのおじさんと久々に長話をしてきました。その時に教えてもらった(そして購入した)お米の話をまとめます。

市場の商人は食材のプロ

f:id:Otama3:20211118133658j:plain

面倒くさがりな私が何故市場に行くのかというと、仕入れている人と売られている物がちゃんと見えるからです。また、扱っているものには生鮮食品(未加工品)が多く安心感があります。

市場へ行く頻度は多くありませんが、日ごろ利用するスーパーと違い、食材に精通したプロの話 は興味深く参考になります。

ただ話を聞きに行くだけでは冷やかしになってしまうのでNGですが、購入したい物が明確であれば、ぜひ市場に行ってみてください。

ホールフードのススメ

市場にある生鮮食品は最小限の加工で済んでいるものがほとんどです。こういったものはホールフードと呼ばれます。東洋医学の考え方に、一物全体(1つの物を丸ごと食べる)というものがあります。日ごろ加工されたものばかり目にすることが多いですが、市場ではホールフードの状態で見ることが可能です。

食品は加工が少ないほど、食品添加物が入っていない といわれます。日常的に加工食品を食べることが多いからこそ、こういった元の姿に近い状態の食品を見ることは大切です。

※法律上、食品添加物はキャリーオーバーと言われる記載義務の抜け道があり、加工が多い食品はもはや何が入っているか分かりません。

市場では様々なホールフードと出会えますが、丁寧な商いをしている「人」に出会えるとラッキーです。冒頭のたまごのおじさんは、私が出会った丁寧な商いをする人でした。どのように丁寧なのかというと、食品について消費者があまり知ることがない生産者の情報を教えてくれるということです。

現場仕込のプロ

f:id:Otama3:20211118134235j:plain

今回たまごのおじさんから聞いたのは、お米の話です。当初市場に来た目的は出汁用の昆布を購入するためでしたが、お米も購入することになりました笑

このおじさんは超がつくほど現場主義のため、自分が仕入れるものは生産者と物を見てから判断しています。

その頑固さゆえか販売しているものには定評があり、リピーターも多くいます。そんなおじちゃんが、新しくお米を仕入れたそうです。

代わりの下調べ

紹介してくれたのは、東京では1件のお米屋さんしか取り扱いをしかないお米でした。見たことがないパッケージだなと思ったのもそのはず、個人で経営されている農家さんから直接仕入れたお米だったのです。

普段私達がスーパーで購入できるお米は、JAのように農家から一括買い上げたお米を再分配したものです。JAの経営体質によって古米の使用優先など、品質よりも利益が優先されてしまうからだそうです。

この販売方法では、お米が全て混ざってしまうため、農家さんごとのクオリティは全く反映されません。買い取ってもらう利益優先より、クオリディを保つことを選択した農家さんのお米に出会う機会はほぼありません。

購入者である私達の代わりに、その道の プロの目で下調べ されたものは本物だと思います。

お米のクオリティ

f:id:Otama3:20211118134253j:plain

紹介されたお米はコシヒカリで、自然乾燥(室で乾燥させる)させた特別栽培米と言うものでした。

特別栽培米とは、県の慣行基準と比較して農薬使用量50%減、窒素性化学肥料不使用で栽培したものです。この特別栽培米と同じお米を、私も以前からネットで購入していたのです。

しかし「これは今年のお米で、3日前に精米したばかりだよ!」なんて言われたら、食べてみたくなってしまいますよね。

さいごに

実際に購入して食べてみたところ、炊きあがったお米は粒がしっかりとしていて、非常においしかったです。卵のおじさんの言っていた通りでした。

食に関心を持つことで、食品の元の姿である食材に目が行くようになります。

単純に購入するだけではなく、その食品がどのように食卓までやってくるのかの源流を知ることができるのが市場です。

現場を知るプロからの話は、きっと生活を豊かにしてくれるのではないでしょうか。

特別支援クラスとミネラル不足の話

もしも出汁(だし)を摂取することで、子どもの学習障害が改善すると言われたら驚きませんか?

「食べなきゃ、危険!」という本には、出汁に含まれる栄養素の力によって改善した様々な体験談が書かれています。

「うつ病、リウマチ、糖尿病、アスペルガー症候群、肌荒れ、アトピー、成績不振が改善!」と書かれた本の帯に、薬機法違反は大丈夫か!?と職業柄心配になりますが、内容は素晴らしいものでしたので紹介したいと思います。

食品添加物とミネラル

f:id:Otama3:20211111005315j:plain

この本は、私達の食生活に占める割合が大きくなっている加工食品に潜む背景を明らかにしたうえで、体験談の紹介へと進みます。※要点のみを知りたい場合は、本の1/4ほど読むと理解ができます。

背景は、現代の社会生活が食事に対して便利さ、保存性、味の良さの追求にありました。これらを追求した結果、大量の食品添加物が食品中に存在 することになったのです。

食品添加物とは、写真のように食品の原材料名の中で/(スラッシュ)以降に記載されているもの全てになります。

ミネラルが不足傾向にある私達の食生活

食品添加物は、現在政府が認可しているもので800種類以上あります。その中でも、特に注視されているのは リン酸塩という食品添加物 で、これはほぼすべての加工食品に使われています。

ほぼすべての加工食品に含まれているため、多数の食品から成り立つ幕の内弁当のような食品は、このリン酸塩の摂取量は必然的に多くなります。

リン酸塩は摂取しすぎると、体に必要な栄養素であるミネラルを排泄するよう働きかけます。排泄された亜鉛、鉄、銅などの必須ミネラルが足りなくなると、体と心に様々な影響が表れます。

発達障害も、この不足する栄養による影響が示唆されているのです。この事実は医薬業界でも広く認知されており、注意喚起がなされています。

学校教諭から聞いた話

f:id:Otama3:20211111010000j:plain

ここで話は教育の場に移ります。冒頭の発達障害の子どもたちは、普通学級では対応できない子どもたちが学ぶ特別支援クラスで学びます。

昔はクラスに1、2人程度と言われた発達障害児も、人口が多い地域ではクラスとして編成されるほど増加してきています。そんな特別支援クラスで働く教員友人からこんな話を聞きました。

友人2人から聞いたケースになるので、全体感ではないことはご了承ください。

特別支援クラスにいる子どもは、比較的片親のケースが多いそうです。また、子どもの親に共通していたのは、面談などの要件で電話連絡をした際、だいたいイライラしているということでした。

また、子どもたちの食生活を聞くと、お弁当、総菜やファーストフードをよく食べているそうで、栄養の偏りが心にも影響 を与えているのではないかと考えずにはいられませんでした。

食卓で取れないミネラル

個人情報の関係から、詳しい情報は出すことができません。しかし、学習障害の発生頻度とミネラル不足の話は、やはり繋がっているような気配がしました。

好き嫌いをもつ子どもが多いことなど、栄養摂取がバランス良くできていない様子がうかがえるからです。

ミネラルの必要量はmg単位〜ng単位と、炭水化物やタンパク質などと比較しても絶対量は少ないです。しかしミネラルは微量元素と呼ばれ、ほんの少量でも体に絶大な影響力をもつ栄養素 であることを忘れてはいけません。

食育は誰がする?

f:id:Otama3:20211111010621j:plain

子どもは経済的に、そして食生活も親に依存しています。自身の食生活を思い出してみていただくと、親の作っていたもの、食べさせていたものが家庭の味でないかと思います。

つまり、親がミネラル不足の食事をしていたら、子どもはもれなくその影響を受けるということです。

さいごに

f:id:Otama3:20211111010253j:plain

この本では出汁に含まれるミネラルが、子どもの発達に良い影響を与えることを示しています。ミネラルが足りないことによって障害が起きているので、補充することで改善しているわけです。

加工食品が悪い、食品添加物が悪いというよりは、基本的に不足傾向にあるという認識でいることが重要になると思います。

家庭での栄養バランスが、子どもの発達と成長に直結していることをあらためて学ぶ機会となりました。