妻が妊娠してからは、夫婦共に初めての経験をしてばかりでした。その経験はジェットコースターのように過ぎていったため、2人目が生まれるときに活かせるよう必死に思い出しています。
そんな体験は、妻の 妊娠と同時にチョコレート嚢胞の存在が発覚 することで始まりました。妻の妊娠が分かってから、つわりによる味覚や食欲の変化が起こりました。
専門家に聞いたところ、栄養状態に偏りがなく、生活習慣による大きなストレスが生じなければ、つわりはほとんど起こらないと言われ驚きました。
また、食生活も大きく変わりました。生ものを食べないという妻の選択によって、我が家の食卓から2年近く刺身などが消えました。本当にいろいろなことがありましたが、出産を迎えることができました。
妻の状態
医者の言った通り、チョコレート嚢胞が大きくなることはありませんでした。妊娠したことで、生理という毎月の女性ホルモン分泌の周期が起こらなくなったことに起因しています。
チョコレート嚢胞の存在が分かった妊娠当時の話 www.otama3.info
女性ホルモン(エストロゲン)の影響 がなくなることで、腫瘍の増殖は止まります。しかし、まれに大きくなる場合も報告されていたため、不安がまったくなかったかというと嘘になります。
出産予定日
産婦人科を何回か受診すると、出産予定日がおおよそ判明します。
出産予定日とは、医学の経験則より平均的に割り出されています。妊娠中に胎児の大腿骨や頭の長さを測定して、成長の度合いを知ることで計測されることを初めて知りました。ただし、あくまで予定日なので数日程度前後する可能性はあるそうです。
それを頭ではわかっているものの、予定日を越えてしまったために、たま家では「まだ生まれない!」と若干パニックになりました。
初めての出産は時間がかかる?
初めての出産のことを、そのままの言葉ですが 「初産(ういざん)」 と言います。初産の時は、妊婦は出産までに時間がかかることがあるそうです。もちろん、その逆で圧倒的スピード感で出産を終えるケースもあるそうですが。
生まれる兆候である陣痛は、始まってから徐々に強くなって出産に至ります。その過程で、子宮口が徐々に開いてきて準備が整います。子宮を出た胎児が産道を通って出てくると、無事出産となります。
しかし、初産は子宮口が十分に広がるまでに時間がかかることがあります。また、産道が固いこともあります。これらが初産で時間がかかると言われるゆえんです。
あまりに時間がかかると、母体にも胎児にも負担がかかるため、陣痛促進剤を使用することもあります。たま家では、この初産に時間がかかり、陣痛促進剤を使用しました。
陣痛促進剤
第一子の出産はコロナ以前だったため、陣痛が来てからすぐに通っていた産婦人科へ入院しました。
妻のお腹に、陣痛の強度を測定する機械(陣痛計)が着けられました。しかし、微弱な値を示すこと丸1日、苦しむ妻とは裏腹に本陣痛の値には達しませんでした。
本陣痛に至らないためか、子宮口も十分に開かず、胎児は出てくる気配を見せませんでした。妻の苦しむ様子に、変わってあげたいという気持ちよりも、早く開放してあげたいとただ祈るしかありませんでした。
その状態が2日目に突入し、医者から「促進剤入れていきましょうか」と陣痛促進剤を点滴する手配がなされました。ここから約8時間後に、第一子は誕生しました。
第一子との出会い
陣痛促進剤の投与によって、妻の 身体は強制的に本陣痛へ移行 して出産間近となりました。
いざ出産に向けて、妻は分娩台がある部屋へ移動となり、夫である私も一緒に向かいました。男性と比べ、女性は生理を経験することで血を見慣れていることから、男性よりも度胸があると言われます。それは本当のようで、いざ出産に挑む妻の横で、私は緊張して立っていることしかできませんでした。
ドラマで聞いたことのある「頭が見えましたよ」という医者のセリフが、なぜか他人事のように聞こえました。
胎児の頭が出て、徐々に肩が出てきて、取り上げられた我が子は小さな声で泣きました。へその緒が切られ、まだ湿った肌のまま妻の胸の上に置かれました。目を閉じてはいましたが、しっかり呼吸をしていました。
生まれたてとは意外と毛深いものなのだなと、初めて会った我が子を見て知ることとなりました。
出産とその後
出産に至る情景をかなり割愛しましたが、男性の私は出産に関して多くを語ることはできません。日に日に育ち大きくなる胎児の成長と反比例して、日々の生活が不自由に感じる中で頑張ってくれたのは妻だからです。
妊娠初期に懸念されていた、チョコレート嚢胞の破裂もなく、母子共に無事でいてくれました。
この9か月後に、妻の身体には驚くべき変化が起きていました。